石倉久年:人工膝関節全置換術後に生じた踵骨疲労骨折の2例.
東日本整災会誌,Vol25 No2:228-231,2013.
人工膝関節全置換術(以下、TKA)は、膝関節の疼痛を改善することを主目的とし、歩行能力の改善や生活の質の改善に重要な役割を果たすとされており、臨床において多く経験します。
TKA後の合併症として疲労骨折が挙げられ、脛骨顆部や膝蓋骨などの報告がありますが、本論文では踵骨の疲労骨折の経験を基に症例報告をされています。
TKAの施行による影響を考えてみると、術前とは異なった歩容や姿勢となる事が想像されます。これらが要因となって、あらゆる骨にかかる負荷が変化し、疲労骨折の誘因となったのではないかと考えました。
踵骨疲労骨折の合併症は稀だそうですが、TKA後の患者さんには踵骨部の痛みに配慮しつつ、今後の臨床に臨みたいと思います。
投稿者:中井亮佑