COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2014年10月31日金曜日

整形外科リハビリテーション学会 大阪支部特別講習会のお知らせ



この度、リハビリテーション学会大阪支部にて特別講習会が開催されます。
詳細は以下の通りとなっております。


整形外科リハビリテーション学会 大阪支部 特別講習会
共催:大阪保健医療大学卒業生校友会
 
日 時:平成26年11月30日 (日)
    10:00~16:00 (受付 9:30~)
テーマ:肩関節拘縮の評価と運動療法 (著書:運動と医学の出版社)
講 師:赤羽根 良和 先生(さとう整形外科病院)
    アシスタント数名
会 場:大阪保健医療大学 2号館 講堂
    〒530−0043 大阪市北区天満1丁目9番27号
     [TEL] 06-6354-0091
    http://www.ohsu.ac.jp/index.html
会 費:整形外科リハビリテーション学会 会員  7000円
                    非会員10000円
    大阪保健医療大学卒業生校友会  会員  7000円
定 員:50名(先着順)
※お申込後、自動返信メールに記載している振込口座に入金後、正式決定となります
申込期間:平成26年7月20日0時~10月31日23時59分
     募集期限を延長しました
     定員に達し次第終了となります
申込先:https://ssl.form-mailer.jp/fms/412544cb298747
問合せ先:整形外科リハビリテーション学会 大阪支部
     seikeirehaoosaka@yahoo.co.jp
           ※このアドレスからのメールを受信可能な状態に設定をお願い致します。
 
 
今回講師をされるのは『肩関節拘縮の評価と運動療法(林典雄監修・赤羽根良和執筆)』を筆者の赤羽根先生です。
ご興味のある先生方はぜひご参加ください。


投稿者:鈴木 千愛


2014年10月29日水曜日

第7回下鴨疾患フォーラムのご案内

第7回 下鴨疾患フォーラムが、11月29日(土)に開催されます。




今回の下鴨整形疾患フォーラムは、「バレーボール」における外傷・傷害に的を絞って、バレーボールVリーグのチームドクターとしてご活躍中のお二人をお招きして、ご講演していただきます。
内容は以下の通りです。


1.藤田整形外科スポーツクリニック院長 富士通テン女子バレーボールチームドクター
  藤田健司 先生

「バレーボールにおける上肢の傷害-傾向とその対策-」


2.大阪回生病院整形外科部長 久光製薬スプリングス女子バレーボールチームドクター     
豊田嘉清 先生

「チームドクターの実際 ~女子バレーⅤプレミアリーグ~」

と題して、お話ししていただきます。



バレーボールをしている選手や学生、主婦の方で上肢の障害を訴える患者さんは当院でも目にします。今回は、チームドクターもされている先生お二方のご講演が聞けるとういことで、とても楽しみです。


誰でも参加可能です☆また、参加費は1000円と、とても安いのでぜひご参加ください!!

2014年10月28日火曜日

腰椎棘突起縦割式椎弓切除術について


文献紹介

 

腰部脊柱管狭窄症に対する腰椎棘突起縦割式椎弓切除術の有効性

別冊整形外科59:103107,2011

 


本日は、当院でも実施される腰椎棘突起縦割式椎弓切除術(以下、縦割術)の方法、有用性について述べられた文献を紹介します。

従来施行されてきた広範椎弓切除術は、傍脊柱筋の広範な剥離による著明な背筋筋力の低下や、棘突起をはじめとした後方支持組織の切除による椎間孔狭窄や椎間板障害などの二次的な障害が一部の症例において報告されているようです。

縦割術では、後方支持組織の温存により術後の不安定性を最小限に抑えることができるため、術後2年時の臨床成績は従来法と比較して良好であったようです。問題点として、温存された棘突起が椎弓から遊離するため体幹伸展筋力が脊柱に十分に伝達されない可能性があることです。

 

理学療法を進めるうえでも、縦割術の低侵襲性による創痛の軽減や脊柱筋の温存は有用に思われます。現在担当している縦割術症例も、術後の創痛や背筋の筋力低下による姿勢変化は生じておりませんが、今後の経過に注意しながらリハビリを実施していこうと思います。

 

 

投稿者:竹下真広

整形外科リハビリテーション学会神戸支部立ち上げシンポジウム

昨日は整形外科リハビリテーション学会神戸支部立ち上げシンポジウムに参加させていただきました。

内容としましては、
稲葉 将史先生
「肩関節の解剖・機能解剖 ~肩甲上腕関節を中心に~」


山本 昌樹先生
「鏡視下腱板修復術後の運動療法のポイント」




辻 修嗣先生
「肩甲下筋断裂を伴った鏡視下腱板修復術後の運動療法と課題」



小野 志操先生
「関節包性拘縮肩に対する機能解剖学的アプローチ」



永井 教生先生
「投球障害肩の診方 ~病院に勤務する理学療法士の立場から~」



という、タイトルにてそれぞれの考え方を非常にわかりやすく機能解剖学に基づいて発表されていました。


講義に続きディスカッションも行われました。



シンポジストの先生方のご意見や考えていることなどを教えていただきとても参考になりました。
今後、神戸市部でも非常に熱い定例会などが行われると思いますので京都支部もしっかりと盛り上げていきたいと思います。

京都支部では症例検討にて普段悩んでいる症例について考えるいい機会にもなりますし、自分の考えていることと違う意見などを聞いたりディスカッションをすることで知識の整理や自分に足りていないことも見えてくる良いきっかけにもなると思います。
また、触診は理学療法士として一番必要なスキルだと思いますし触診技術を磨くための練習にもなると思うので是非京都支部の方にもご参加のほどよろしくお願いします。


 

2014年10月25日土曜日

京滋支部 京都会場 定例会

本日は、整形外科リハビリテーション学会京滋支部の京都会場にて定例会が行われました。


まずは、京都下鴨病院の鈴木千愛先生による症例検討で内容は
「股関節唇縫合術後に腰痛を呈した症例~職場復帰に向けて~」でした。
            

先生ご自身が症例であり、FAIの術後に現状抱えている腰痛に対して、実際に評価を行いながら、その原因についてディスカッションするという今までにない斬新なものでした。
このディスカッションでは、腰痛に関して、股関節から腰痛に繋がっているのか、腰部や腹部、胸椎が原因となって腰痛に繋がっているのかというところが論点となりました。
この話し合いの中で、自分自身も頭の中でまとまっている考えを、いかに周囲にわかりやすく表出できるかということが課題としてみつかりました。
結論としては、股関節の拘縮が原因で腰痛に繋がる「Hip-Supine syndrome」である可能性が高いということで、股関節の拘縮と合わせて腰椎にアプローチする必要があるのではないかという話になりました。患者様の訴えを踏まえた上で、どれだけ細分化してそれぞれを分析・評価してそれらを統合し直して、問題点とその優先順位を導くという作業の大事さを考え直させられる症例検討となりました。





その後は、京都下鴨病院の小野志操先生によるレクチャーが行われました。
題名は「FAIの運動療法」です。
           

内容としては、股関節の形態や、関節唇の解剖と生理学的特徴について、その周囲筋の機能解剖についてとFAIの病態と歴史についてを主にお話いただきました。なぜFAIでは前上方の関節唇に損傷が起こりやすいのか、周囲の筋の中でもどの筋にスパズムや拘縮を生じやすいのかを噛み砕いて講義していただき、その後は大腿直筋の触診と、それに対するアプローチ方法の一つを実技してくださいました。






今回のお話は、時間の都合上、FAIの考え方や運動療法に関する一部のみを紹介していただきましたが、今回参加されより深くFAIについて知りたいと思われた先生方、今回は参加できなかったもののFAIにご興味がおありの先生方に朗報です。
11月23日(日)に小野志操先生がみっちり5時間、FAIに関する病態や解剖、手術方法から運動療法に至るまで、実技を含めてレクチャーを受けられるチャンスがありますので、同僚の皆様をお誘い合わせの上、是非ともご参加ください!!




投稿者:為沢  一弘



整形外科リハビリテーション学会神戸支部立ち上げシンポジウムのご案内

以前も紹介しましたが、この度、整形外科リハビリテーション学会神戸支部立ち上げシンポジウムが行われます。
詳細は以下の通りとなっております。ご興味のある先生方はぜひ参加してみてください。

肩関節疾患における基礎と臨床
 〜最新知見と臨床応用〜

シンポジスト・講演タイトル
稲葉 将史 先生 大久保病院
「肩関節の解剖・機能解剖  ~肩甲上腕関節を中心に~」

山本 昌樹 先生 大久保病院
「鏡視下腱板修復術後の運動療法のポイント」

辻 修嗣 先生 生田病院
「肩甲下筋断裂を伴った鏡視下腱板修復術後の運動療法と課題」

小野 志操 先生 京都下鴨病院 [Blog]
「関節包性拘縮肩に対する機能解剖学的アプローチ」

永井 教生 先生 京都下鴨病院
「投球障害肩の診方 ~病院に勤務する理学療法士の立場から~」

期日
2014年10月26日(日) 14:00~16:30  受付開始13:30

会場
神戸総合医療専門学校 大講堂
兵庫県神戸市須磨区友が丘7丁目1-21
(神戸市営地下鉄  名谷駅下車南へ徒歩約15分)
*ご来場の際は公共交通機関をご利用ください

アクセス
http://www.kobecc.ac.jp/kouthsu/

参加費
・整形外科リハビリテーション学会会員 2,000円
*2014年10月期からの会員を指します。会員の皆様にはお早目の登録手続きをお願い致します。

・会員外 4,000円 
   
事前申し込みはこちらからご登録ください。(https://ssl.form-mailer.jp/fms/81e3f830318959

投稿者:鈴木 千愛

2014年10月24日金曜日

明後日は定例会です!

明後日10月25日(土)は、整形外科リハビリテーション学会京滋支部(京都会場)定例会です!
内容が確定しましたので、ご案内させていただきます。

今月は症例検討からレクチャー、触診まで、FAIづくしとなっております!!

症例検討では、鈴木千愛先生が股関節唇縫合術後に腰痛を呈した症例について発表されます。鈴木先生は、今年始め股関節唇縫合術を受けられ、現在職場復帰に向けて奮闘されています。ご自身の経験を生かした理学療法士目線での症例検討を聞けるのは、とても貴重な経験かと思われます!!
いつもは不足している評価項目があった場合に、(患者さんはきっとこんな状態かな…)と想像を膨らませながら検討を進めざるを得ない場合があります。
しかし今回は!!患者さんが目の前におられますので、会場内で実際に評価しながら検討を進めていくという、新しい試みが行われるのではないでしょうか!?
楽しみですね。

最近ではFAIという言葉が日本でも浸透し、認知の広まっている疾患ですが、症例報告数はいまだ少なく、保存療法にしろ術後療法にしろ、どう進めたらいいのかわからない方も多いかと思われます。明後日は一日で治療コンセプトから治療技術まで一貫して学べるお得な機会となっておりますので、多くの皆様のご参加をお待ちしております。


第95回定例会

内容 : 
  レクチャー  [FAIの運動療法]  :  講師  京都下鴨病院  小野 志操先生

  触診 [大腿直筋] : 講師  京都下鴨病院 一志有香先生

  症例検討1題  [股関節唇縫合術後に腰痛を呈した症例~職場復帰に向けて~] :
  京都下鴨病院     鈴木 千愛先生

開催日時: 平成26年10月25日(土)

時間 : 受付18時〜、開始18時30分、終了20時30分

会場 : 京都下鴨病院  2階  リハビリ室

参加費 : 会員無料、会員外500円


投稿者 : 立花 友里

2014年10月22日水曜日

手関節尺側部痛の鑑別診断


文献紹介

 

手関節尺側部痛の鑑別診断

MB Orthop.27(4)1-7.2014

 
 

本日は、その病態についていまだ不明な点が多いといわれている手関節尺側部痛について述べられた文献を紹介します。

著者の経験上、手関節尺側部痛は尺側手根伸筋腱鞘炎、TFCC小窩付着部損傷、TFCC実質部損傷の3疾患であることが多いとのことで、これらの鑑別診断方法について中心に述べられています。鑑別診断については関節造影やCTのほか、carpal supination testfovea signshake hand testなどの疼痛誘発テストも紹介されておりました。

 

特に、遠位橈尺関節を制動する掌・背側橈尺靭帯が付着する、TFCC小窩付着部での損傷は、私が現在担当している前腕回内で出現する手関節尺側部痛症例とも関連があるのではないかと参考になりました。明日からの臨床に少しでも生かせたらと思います。

 

 

投稿者:竹下真広

2014年10月20日月曜日

第54回近畿理学療法学術大会のご案内

第54回近畿理学療法学術大会のご案内についてです。








会期  :平成26年11月3日(月・祝)
会場  :大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
      http://www.gco.co.jp/access/
主催  :日本理学療法士協会近畿ブロック
テーマ :「治療としての理学療法」
大会ホームページ
     :http://www.physiotherapist-osk.or.jp/opta/kinki54/index.html



今年の近畿理学療法学術大会は当病院の小野志操先生が運動器のセッションにて座長を務められます。非常に熱いディスカッションが行われるのではないかと思います。

会場は大阪でありアクセスも良いところになっておりますのでお時間のある先生方はぜひ参加してみてはいかがでしょうか!!
私事にはなりますが、来年の学術大会では発表しようと考えています。
治療成績をしっかり出しそれを形にすることはとても重要なことだと思いますし自分の行っている治療などを見つめ直すいい機会にもなるのではないかとも思うのでしっかりと準備をしていきたいと思います。




投稿者:団野 翼





2014年10月18日土曜日

小野の実力。



明日は、当院の小野志操先生による講演が東京で行われます!!
今回は、肩関節周囲の触診についてを講演されます。
日々、忙しい臨床の中コツコツと資料作成をされていました。
そして先日、講演に使用する動画撮影に協力させて頂きましたが、、、
題名の通り、小野先生の実力を目の当たりにしました(,,)。



美しい肩甲骨ですね。しかも、これを書くのに要した時間は約5分。さすがです!
ちなみに、赤の線は大円筋トラップです!間違えないように気をつけましょう!!
違うアングルで。


これだけ見てると、簡単そうにも見えますが、いざ書くと本当に難しいです!
いかに、自分の触診技術が足りていないかを感じます。。。トレースされたことのない先生はぜひしてみて下さい☆
そして、触診技術が上がれば自然に治療成績も上がります!!(^^)
それが何よりですよね☆☆

明日の講演は、もう応募が締め切られていますが、近江勉強会では触診のレクチャーも毎回していますのでぜひ足を運んでみてください!






2014年10月16日木曜日

院内勉強会; reverse TSA について

本日業務終了後、肩関節外科医の森大祐先生の呼びかけの下、理学療法部内で肩の勉強会が行われました。

テーマは、リバース型人工肩関節手術 (reverse TSA ; reverse total shoulder arthroplasty) について。

森大祐先生は、アメリカ・フィラデルフィアの Thomas Jefferson University で2014年の7月末まで肩関節の最新の臨床研究を積まれ、9月より京都下鴨病院に復職されました。
その経験を元に、今回は治療コンセプトから術式、後療法、リハビリにかける熱い想いまで、森先生が実際に執刀された手術写真を豊富に交えて丁寧にご指導いただきました。

Reverse TSA は、通常のTSAと違い、ボールとソケットを逆に設置することで、腱板のない患者さんでも三角筋の筋力だけで挙上を可能にする手術です。棘上筋、棘下筋の機能が不必要な分、肩甲下筋と小円筋の機能が大事だそうです。下垂位外旋の極端に弱い症例には広背筋移行が適応されます。結帯の獲得には特に肩甲下筋が重要とお話されました。

Openで行う手術ですが術後疼痛を訴える患者さんが少なく、症例によっては術後3か月で自動屈曲135度を達成できるようで、パッチ手術やARCRよりも早期に良好な成績を期待できます。

日本では2014年春より臨床導入が開始されましたが、当院では今月よりreverse TSA の手術予定が組まれています。森先生が執刀されるこの手術が京都初になるそうです。
日本では臨床経験が少ない手術ですが、文献を読み、スタッフ間で相談しあいながら知識を深め、実践していくことで、臨床成績を京都下鴨病院から続々発信していきたいと思います。

投稿者 : 立花 友里



2014年10月15日水曜日

膝蓋骨下部解剖報告及び膝蓋骨下部で生じた骨折の2症例

文献紹介

膝蓋骨下部解剖報告及び膝蓋骨下部で生じた骨折の2症例
第3回 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会 p129



本日は、膝蓋骨下部の解剖について報告された文献を紹介します。
膝蓋骨全長のどの高さまでが関節包で覆われているかについて、詳しく言及した文献は少なく、、本報告では、解剖実習用遺体膝を対象に、同内容について計測した結果と考察が述べられています。

結果、関節包外となる膝蓋骨骨膜下部の縦の長さは、膝蓋骨全長のおよそ4分の1を占めるものであったそうです。また、関節包外部は関節包内部と比較して骨梁間の間隔が広いため、同部位では骨折が好発することが予想されると述べられています。

現在、膝蓋骨下部骨折症例を担当しておりますが、本報告のような骨の解剖学的な特性をしっかりと把握したうえでリハビリをすすめていけるよう、今後も勉強していこうと思います。


投稿者:竹下真広

2014年10月13日月曜日

HORSS 第3回研修会 肩関節拘縮の評価と治療

HORSS主催の第3回研修会のご案内です。
今回のテーマは「肩関節拘縮の評価と治療  ~肩下方組織を中心に~ 」です。




講師:小野志操先生(京都下鴨病院)
場所:姫路市勤労市民会館
日時:平成26年11月14日(金)
時間:19時~21時
申込期間:平成26年10月10日~11月9日まで
(定員に達し次第、受付終了)

参加費:500

お申し込みHORSSホームページより


第2回に引き続き、次回は肩関節包と肩後方組織を中心にお話されます。
肩関節疾患の患者様を治療していると肩関節包や肩後方組織を治療する上で悩むことは多いと思います。
小野先生は非常に解剖を細かく丁寧に勉強されており、触診などの技術も素晴らしいなと日々感じます。
日々の臨床で悩んでいることを解決するいい機会になると思いますし、とても勉強になると思いますので是非参加されてみてはいかがでしょうか。


投稿者:団野 翼




2014年10月10日金曜日

股関節鏡視下手術の実際


本日は最近読んでいる雑誌の紹介をさせていただきます。
「股関節鏡視下手術の実際-股関節スポーツ損傷に対するアプローチ-臨床スポーツ医学2012」
です。

近年では股関節痛を有する患者に対するアプローチの一つとして股関節鏡が発展してきています。特に米国では年間手術件数が7万件を超えており、疾患概念も広く浸透してきています。その反面日本では股関節の病態や治療概念についてはいまだに広く認知されているとは言い難いというのが現状です。

この雑誌では、股関節唇の組織学および力学的特徴からFAIの臨床症状、FAIに対する鏡視下手術、術後のリハビリテーションまで幅広く記載されています。

最近当院においても、股関節唇損傷にて来院される患者様が多いため、股関節唇の組織学的、力学的特徴を学ぶいい機会になりました。
今後も各関節の解剖学や力学、組織学的な特徴を知り治療に生かしていこうと思います。




 投稿者:鈴木千愛




2014年10月9日木曜日

肩関節の挙上について

今回は肩関節に関する文献を紹介させていただきます。

乾 浩明ほか:肩関節の三次元運動解析 -挙上と回旋の関係- .肩関節,2007;31-2:229-231



この文献では、モーションキャプチャを用いて、屈曲挙上と外転挙上を行った際の上腕骨の回旋度合を比較されています。

屈曲挙上は大結節が烏口肩峰アーチの下を通過する運動に対して、外転挙上は肩峰下を通過する運動となります。そもそも通過するパスが違う2つの運動ですが、通過後も、屈曲挙上では、180°の挙上でも上腕骨自体の回旋はなく、臼蓋と骨頭間では180°の軸回旋がおこるため、比較的支点が保たれています。これに対して、外転挙上では、最大挙上を行うためには臼蓋と上腕骨頭との接点が変化することに加えて、上腕骨自体の軸回旋も生じるとされています。

このことを通して、外転挙上では各角度毎 で臼蓋と上腕骨頭の接点や上腕骨の回旋角度が変化するため、支点形成のための筋の活動性と伸張性がより必要となる運動であることが考えられます。このため、腱板断裂や拘縮肩、腱板修復術後の患者様では屈曲挙上から可動域訓練を進めていった方がより効率よくpassive・activeの 可動域の獲得ができるのではないかと改めて認識することができました。


投稿者:為沢 一弘



2014年10月8日水曜日

橈尺骨遠位端骨折


文献紹介

 

FRACTURES OF THE DISTAL RADIUS AND ULNA

Journal of Hand Surgery 20B:3:357-364 1995

 


本日は、尺骨遠位端骨折の分類で見かけることの多いBiyaniらが報告した、尺骨遠位端骨折後の、特に前腕回旋可動域の治療成績について述べられた文献を紹介します。

橈尺骨遠位端骨折の治療成績は、骨折した橈骨のタイプや重症度に依存することが多いですが、尺骨の骨折もまた、予後を左右する重要な要素であると述べています。

 

Biyani分類

Type1. 尺骨の骨幹端の単純関節外骨折

Type2. 尺骨の骨幹端と茎状突起の骨折で、T字もしくはY字型を呈する骨折

Type3. 尺骨の骨幹端骨折と、茎状突起部の剥離骨折

Type4. 尺骨遠位端の粉砕骨折(尺骨茎状突起部の骨折の有無は問わない)

 

この報告では、Type4のような重症度の高い症例でも、骨折後に偽関節へと発展することで前腕可動域は良好となったが、むしろ重症度の低い症例に、仮骨が遠位橈尺関節内に侵入することで前腕の回旋制限を認めたと述べられています。

 

現在、Biyani分類Type1に相当する橈尺骨遠位端骨折症例を担当しているところです。患者さんの様々な痛みの訴えに、それらの解釈と治療に難渋していますが、11つ治せるように今後も努めたいと思います。
 
 
 
投稿者:竹下真広

2014年10月6日月曜日

第45回人工関節学会

第45回人工関節学会の開催情報についてです。







開催日時 : 2015年2月27日~28日
会場    : 〒812-0032 福岡県福岡市博多区石城町2-1
         福岡国際会議場
問い合わせ: 〒814-0180 福岡県福岡市城南区七隈7-45-1
         福岡大学(医学部整形外科学講座)
         Tel 092-801-1011(3456)
大会URL :  http://jsra2015.jp/index.html


私事ではありますが、今回人工関節学会に演題登録しようと考えています。
現在抄録を作っているところですが、やはり大変だなと感じているところです。
初めて学会発表の準備をしているのですが多くの文献を読んだり臨床で行っていることをしっかりと形にすることで非常に勉強になることだなと思っています。
データをいろいろまとめているとTKA後の症例の特徴などが少しわかり臨床にも活かすことができるのではないかと感じています。
演題締切が10月9日となっているので頑張って抄録を完成させたいと思います。


投稿者:団野翼



Rectus femoris reflected headの解剖

今月の10月25日(土)は、整形外科リハビリテーション学会京滋支部(京都会場)です!!

今月は、小野志操先生によるFAIの運動療法についてのレクチャーと、その中でもPOINTとなってくる大腿直筋の触診を一志がレクチャーさせて頂きます。
そこで、今回は予習に大腿直筋の解剖を説明します。


大腿直筋は、起始部が二つに分かれており、直頭(Rectus femoris straight head)と反回頭(Rectus femoris reflected head)と呼ばれます。
上の図は、Rectus femoris reflected head の解剖です。寛骨臼縁上で腸骨大腿靭帯の上方から起こり股関節包前面の安定性に関わると言われています。


現在、当院(京都下鴨病院)では月に1回、産業医科大学若松病院 スポーツ関節鏡センターのから内田宗志先生が来られ、外来診察を行っています。このため、FAIの患者さんを担当する機会が増えています。
その中で、股関節の前部痛を訴える方が多くRectus femoris reflected headの拘縮により、痛みが出現している患者さんは少なくありません。

今回の、小野先生のレクチャーでは、そもそもFAIとはどういう病態なのか、Rectus femoris reflected headがどのように痛みの原因となっているか...などなど、様々な切り口でレクチャーして頂けるのではないでしょうか!!
そして、そこには確実に触診できる技術が必要なので、しっかり機能解剖を理解して触診レクチャーできるように頑張りたいと思います。

また、症例検討も募集していますのでお待ちしています!!
ぜひ、ご参加下さい☆

近江理学療法勉強会京滋支部(京都会場)

内容:第95回 定例会 大腿直筋の触診、FAIの運動療法

開催日:平成26年10月25日(土曜日)
時間:受付18時〜、開始18時30分、終了20時30分
会場:京都下鴨病院 2階 リハビリ室
講師:小野志操先生、一志有香先生

症例検討:「募集中」

参加費:会員無料、会員外500円

2014年10月3日金曜日

尺骨遠位部の超音波動態観察よりみた前腕回外制限に関する一考察


本日は文献紹介をさせていただきます。

「尺骨遠位部の超音波動態観察よりみた前腕回外制限に関する一考察」
日本整形外科超音波研究会会誌Vol.22 No.1 2010

橈尺骨骨幹部骨折や橈骨遠位端骨折など、前腕や手関節の外傷後、前腕回内外の制限は多くみられます。
前腕の回旋制限に対するリハビリテーションを実施する際にはその制限因子を明確にしたうえでの運動療法が必要不可欠となります。

回旋制限の要因として、

  1. 橈尺骨の骨性アライメント異常によるもの
  2. 近位及び遠位の橈尺関節の不適合によるもの
  3. 橈尺骨間をつなぐ軟部組織の瘢痕によるもの
等が考えられます。

この文献では前腕回外運動時の尺骨頭の動態を観察し回外の制限因子となる軟部組織を検討されています。

関節の動作に伴う周囲の組織の動態を知ることは、制限因子となる組織を明確にすることが出来ると考えます。

今後治療を行って行く中で、制限因子を明確にしアプローチを行っていこうと思います。

投稿者:鈴木 千愛

2014年10月2日木曜日

第123回中部日本整形外科災害外科学会・学術集会


明日、明後日と名古屋で中部日本整形外科災害外科学会・学術集会が開催されます。

今回の集会会長は、藤田保健衛生大学医学部 整形外科学教室 教授でいらっしゃいます、 山田治基先生です。

今学術集会では、「整形外科における分化と融合」がテーマとされています。
整形外科とは、「脊柱・四肢の運動器全般」を取り扱う分野と、日本整形外科学会の中で位置づけされています。全身すべての関節、筋肉、四肢の血管、皮下組織、脊椎、脊髄、末梢神経などが対象となります。この広範な対象領域の中で、脊椎脊髄外科、関節外科、骨・軟部腫瘍、外傷、等々多岐に渡る専門領域が分化していきました。
一方で、人工関節材料や生物学的製剤のように、最近の工学、基礎科学が今後発展していくためには、他の分野との融合が必要な時代であるという会長の思いが込められています。

理学療法においても、専門分野を深く追求していくと同時に、他分野の知識も取り入れ、多角的な視点で臨床に向き合うことが大事かと思われます。

Dr.対象の学会ですが、一般参加可能で、当日受付可能となっています。週末休暇のある先生方は参加されてみてはいかがでしょうか。

場所 : 名古屋国際会議場
受付日時 : 10月3日(金) 7:30〜18:00
                 10月4日(土) 7:30〜16:00
参加費 : 12000円
URL : http://www.congre.co.jp/chubu-seisai123/index.html


投稿者 : 立花 友里

2014年10月1日水曜日

肩峰下インピンジメントの発生因子について

今回は、肩関節に関する文献を紹介させていただきます。




LeSB,etal.:Contact geometry at the undersurface of the  acromion with and without a rotator cuff tear. Arthroscopy, 201;17:365-372. 


この文献では、矢状面上で、肩峰の前縁が関節窩の頂点(12時)を超えて前方に突出している者では、そうでない症例と比較すると、腱板断裂が起こる可能性が高く、内外側の直径においても直径の大きい者の方が腱板断裂を生じやすいとされています。


また、肩峰がより前方に突出している者は、そうでない者と比較してインピンジメントが生じやすいという報告や、肩峰の後方傾斜がより水平に近い者ほどインピンジメントが起こりやすいという報告もみられます。


これらのことを通して、骨の形態自体は理学療法士が変化させることはできませんが、肩甲骨の前傾などのアライメント不良により、機能的に肩峰の被覆が増大している症例に対して、肩甲骨のマルアライメントを修正することは、腱板断裂や肩峰下インピンジメントのリスクを回避・予防することができる可能性があるのではないかと感じました。


投稿者:為沢 一弘



人気の投稿