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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2014年9月17日水曜日

深層外旋筋による股関節の制限について

最近、当院でもFAIの患者様を診させていただく機会が増えてきています。
僕自身、FAIについて勉強する機会も増えてきているので、今回はそれに関連のある文献を紹介させていただきます。





L.B.Solomon,et al.Anatomy of piriformis, obturator internus and obturator externus:The journal of bone & joint surgery.vol.92-B,No9,september 2010



この文献はFAIに関する文献ではなく、THAの後方アプローチにおける脱臼肢位(屈曲・内転・内旋)に股関節を操作した際に、外旋筋群がどの程度伸張されているのかを屍体を用いて研究されたものです。

結論から言うと、股関節を屈曲・内転・内旋させると梨状筋、内閉鎖筋、外閉鎖筋は約2倍近く伸張され、その中でも外閉鎖筋が最も伸張されると述べられています。

この文献を通して、後方アプローチ後の脱臼肢位は、FAIにおけるanterior impinge testの肢位と類似しており、これが陽性になる患者様では、深層外旋筋のスパズムを生じている方が多くみられます。この文献を通して、FAIにおける関節唇のimpingementを回避するのに、深層外旋筋の伸張性を得ることが大変重要であることが示唆されます。

当然のことながら、他にもその動作を制限する筋は多数存在するため、
「深層外旋筋の伸張性改善=anterior impingementの消失」
ではありませんが、これらの知識を念頭において、評価・治療を進めていくことは大事なことだと捕えています。

自分もまだまだ、外旋筋群をはじめ股関節周囲の筋の圧痛所見のとり方や伸張性の評価が的確且つ十分にできるまでに至っていませんが、この知識を少しでも技術に活かしていけるよう、これからも日々練習を積み重ねて精度を高めていこうと思います。

投稿者:為沢 一弘




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