Spine (Phila Pa 1976). 2012 May 20; 37(12): 1058–1064.
この論文では3DCTを用いて、腰椎椎間関節腔の幅と腰痛症状の存在との関連を調査されています。
対象は女性45人、男性51人のボランティア96名です。
平均年齢37.6歳(22-59歳)、平均体重75.4kg(45-129 kg)、平均身長168.6 cm(145-188 cm)です。
腰痛あり群と腰痛なし群の2群に分け、腰椎椎間関節のjoint spaceと腰痛症状の存在との関連を調査されています。
結果、腰痛がない無症候性群と比較した場合に、腰痛ありの症候性群の椎間関節のjoint spaceは有意に狭かったと報告されています。
対象は女性45人、男性51人のボランティア96名です。
平均年齢37.6歳(22-59歳)、平均体重75.4kg(45-129 kg)、平均身長168.6 cm(145-188 cm)です。
腰痛あり群と腰痛なし群の2群に分け、腰椎椎間関節のjoint spaceと腰痛症状の存在との関連を調査されています。
結果、腰痛がない無症候性群と比較した場合に、腰痛ありの症候性群の椎間関節のjoint spaceは有意に狭かったと報告されています。
腰痛なし群
腰痛あり群
結果から椎間関節joint spaceと腰痛症状に相関関係を認めるため腰痛診断を行う際に重要な所見になると述べられています。
この論文を読んで腰痛と椎間関節空の幅に相関がある可能性があることが分かりました。
しかし私自身、臨床で腰痛症例の理学療法を行っていて画像所見上joint spaceが狭小化していなくても腰痛を訴える症例を多く経験します。そのためjoint spaceの狭小化と腰痛は=ではないと私は考えています。この研究では対象者の腰痛の病態が示されていませんでした。どの組織が痛みを出していたのか、どのようなメカニカルストレスが生じた時にどこに疼痛が再現されるのかがこの論文には示されていないため対象者の腰痛の病態が一定でなかった可能性があるかもしれないと思いました。
腰痛に関する論文を読んでいると病態が記されていないため、どう解釈すべきか疑問に思うことも多々あります。可能な限り病態分類して、病態別で腰痛の特徴を明らかにしていくことが大切ではないかと考えます。
毎日の臨床を大切にしながら少しずつ勉強を積み重ねていきたいと思います。
投稿者:大渕篤樹