本日は膝蓋大腿関節(以下PF関節)の接触圧力分布および膝蓋骨trackingを研究された論文を紹介させていただきます。
今井和実ら:膝蓋大腿関節の接触圧力分布および膝蓋骨Trackingの同時測定システム.日本臨床バイオメカニクス学会.Vol,14,1992
著者らは、2方向ビデオ撮影法による膝蓋骨trackingと、電気角度計によるTF関節運動、管電圧導電ゴムセンサによるPF関節部の接触圧力をそれぞれ計測されています。
結果の一部を紹介させていただきます。
膝蓋骨関節面上の接触領域は膝屈曲とともに近位へ移動し、90°以上の屈曲角に対して大腿四頭筋腱の大腿骨関節面への接触が見られました。
膝蓋骨への作用荷重は屈曲とともに漸増し、膝屈曲90°付近で最大となった後減少し、また、60°以上の屈曲角では大腿四頭筋腱部の作用荷重は膝屈曲に伴い増加したと報告されています。
今後もPF関節のバイオメカニクスについて勉強し、PF関節障害の患者さんを担当する際には、このようなPF関節のバイオメカニクスを念頭に置いて患者さんの主訴を聴取し、PF関節の圧を高めている要因をみつけて治療ターゲットを絞りたいと思います。
投稿者:鷲見 有香