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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2017年4月17日月曜日

【文献紹介】ラット膝関節拘縮モデルにおける膝蓋下脂肪体の病理学的変化

膝関節拘縮についての文献を読んでいく中で興味深い文献をみつけたので紹介させていただきます。
本日紹介させていただく文献はラットを用いてIFPの拘縮について書かれた文献です。



松崎太郎:ラット膝関節拘縮モデルにおける膝蓋下脂肪体の病理学的変化.石川県理学療法学雑誌12(1):11-14,2012


研究モデルは制約を加えずに飼育した正常群、2週間関節を固定した後に2週間自由飼育を行った再可動群、2週間関節固定を行い不動化した固定群の3群に分けられたラットです。
これら3群のIFPを顕微鏡で観察しています。
それぞれの群のIFPの面積をみていくと、正常群1124.9 ± 290.9 um²、固定群で756.7 ± 273.9 um² 、再可動群で637.3 ± 249.2 um²という結果になりました。
顕微鏡で観察していくと固定群、再可動群では脂肪細胞が萎縮しており、再可動群においては脂肪細胞の萎縮に加えてコラーゲン線維の増加がみられたと報告しています。

今回の検討では可動域測定、運動療法の介入がされていないため、可動域との関連、運動療法の有用性はわかりませんでした。しかし、今回の結果から1度拘縮したIFPは再度可動性をだしても正常な面積には戻らず、線維性の組織が増殖すること、2週間の不動でIFPが拘縮することが分かりました。
関節鏡をもちいた手術はIFPに侵襲が加わるため、拘縮が生じやすくなります。
IFPは侵害受容器が豊富な組織であるため、術後早期は炎症管理をし、早期より拘縮予防をしていく必要があると感じました。



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