本日紹介させていただく文献はMRIを用いて半月板の三次元モデルを作成し、力学的解析を行った文献です。
中嶋一晶他:MRIから構成した三次元FEMモデルによる膝軟部組織の応力解析―半月板損傷のメカニズム解明に向けて―.日本臨床バイオメカニクス学会誌vol.27:131~135,2006
対象は膝に明らかな既往および愁訴のない22歳健常男性の左膝でした。負荷は単純圧縮負荷150N、回旋モーメント10Nm、内外反モーメント10Nm加えて応力分布を観察しています。
結果は単純圧縮時は内側半月板(以下MM)では後方に応力が集中しており、外側半月板(以下LM)では前方と後方で応力が集中していました。回旋モーメントを加えた時の応力は、内旋時にMM後方とLM後方に応力が集中しており、外旋時はMM前方とLM後方に応力が集中していました。内外反モーメントを加えた時の応力は、内反時にはMM後方に応力が集中しており、外反時にはLM前方と後方の応力が集中していました。
内側半月板に作用する応力に関して筆者は圧縮荷重時に応力が後方に集中しており、かつ内旋,内反時でも同様に内側半月板の後方に幅広く強い応力がかかっていることからMM後方には応力や衝撃が加わりやすいと考えられ、半月板損傷においてMM後方から発生する割合が高いという報告とも一致すると考察しています。
今回の文献よりどの方向の運動で半月板のどの部分にストレスが加わりやすいかが分かりました。半月板損傷の際にどの方向に運動で損傷したのか予測でき、また運動療法を展開する際にも運動方向には注意していく必要があると感じました。
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2016年7月17日日曜日
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