COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2014年12月27日土曜日

ACL再建術後における破断強度の継時的変化について

今回は、ACL再建術後における破断強度が、継時的にどのように変化するかを継時的に研究した論文を紹介させていただきます。

当院でも、ACL再建術後の患者は非常に多く、リハビリを行いますが、知識として、破断強度が変化することは知っているものの、その元となる文献を最後までしっかりと読んだことがなかったので、今回はこの機会に目を通しました。


Weiler A. et al.Tendon Healing in a Bone Tunnel. Part I: Biomechanical Results After Biodegradable Interference Fit Fixation in a Model of Anterior Cruciate Ligament Reconstruction in Sheep .The Journal of Arthroscopic and Related Surgery, Vol 18, No 2 (February), 2002: pp 113–123



 この文献では、ヒツジの膝を用いたACL再建モデルをつくり、固定強度について、固定直後、6週、9週、12週、24週、52週時点での脛骨前方引き出しに対する、ACLの破断強度を調べています。


結果として、固定直後と比較して、6週、9週では破断強度が有為に低下し6週の時点では再建された腱自体の剛性も低下していることがわかりました。12週時点になると破断強度も剛性も固定直後と同程度まで改善し、その後は固定直後以上の強度に変化しています。

また、固定直後では大腿骨や脛骨の骨孔からの引き抜きが生じているのに対して、6週・9週時点では、腱実質の断裂が生じやすいとされています。


この文献を通して、ACL再建術後の患者様において、再建後12週までの間は、移植腱の断裂のリスクを踏まえて、腱実質にストレスのかかるような運動は避けながら、可動域拡大と筋力増強を行っていくことが必要であると再認識できました。
新しい知識を付けていくとともに、今まである知識の再認識行い、自分の知識として定着させることは大事なことだと感じています。これからも、このような作業を続けていこうと思います。



投稿者:為沢 一弘


2014年12月22日月曜日

HORSS 第4回研修会 腱板断裂の保存療法と手術療法

HORSS主催の第4回研修会のご案内です。
今回のテーマは「腱板断裂の保存療法と手術療法」です。




講師:小野志操先生(京都下鴨病院)
    蓮大輔先生(ツカザキ病院)

場所:姫路市勤労市民会館

日時:平成27年1月9日(金)

時間:19:00~21:00

申込期間:平成26年10月10日~11月9日まで
(定員に達し次第、受付終了)

参加費:500

お申し込みHORSSホームページより
http://horss.jimdo.com


投稿者:団野 翼


2014年12月21日日曜日

関西ブロック全国研修会のご案内



整形外科リハビリテーション学会の関西ブロック全国研修会の申し込みが開始されました。

第3回目になる関西ブロックでの研修会は、「腰部周囲の機能解剖学的触診と腰痛の評価と治療」をテーマに、整形外科リハビリテーション学会の理事の先生方が様々なお話をして下さいます。場所は、今回も神戸にて2日間開催されます。


腰痛は、身近によく目にする疾患でありながら、様々な病態をしっかりとカテゴライズして評価・治療に当たっている病院は少ないのではないかと感じます。
今回は、数ある腰痛の症状について、その原因や病態、症状など機能解剖学的な視点から細分化してお話いただき、その評価や治療に関する話もしていただけると思います。
次の日から臨床で使える知識と技術が盛りだくさんになると思いますので、ご興味がおありの先生方は是非ともお早めにご応募ください。


(定員は100名です。過去2回とも数多くの先生方にご参加いただいているため、今回も、定員に達し次第受付をお断りさせていただくことになってしまいます。)



詳細の確認とお申し込みは、京滋支部(近江理学療法勉強会)ホームページよりお願い致します。

ホームページ http://www.omirigaku.com/kansaiblock.html



投稿者:為沢 一弘


 

2014年12月14日日曜日

整形リハ学会 シンポジウム

本日は、名古屋の国際会議場で開催される、整形外科リハビリテーション学会主催の年に一度のシンポジウムに参加してきました。

        



午前中には9月の学術集会では発表しきれなかった方々の症例検討が10題あり、それぞれが一症例一症例を細かく評価・治療をされた結果を発表されました。



昼食後には、本題のシンポジウムが行われました。



内容はBasicとAdvanceに分かれており、
まずBasicでは「膝伸展制限の評価と治療」を題材に、

土浦協同病院の橋本貴幸先生が「伸展制限のデメリット」

吉田整形外科病院の林優先生が「関節性障害」

野口整形外科内科医院の刈谷賢二先生が「筋性障害」

大久保病院の稲葉将史先生が「インピンジメント障害」

について、機能解剖や病態に関してわかりやすくお話してくださり、伸展制限を改善する為に必要な知識や評価の方法、治療に関して勉強することができました。



       



その後、Advanceでは、「足関節・足部の痛みの解釈」を題材に

中部学院大学の林典雄先生が「アキレス腱周囲の疼痛の解釈」

大久保病院の山本昌樹先生が「踵部痛の疼痛の解釈」

土浦協同病院の村野勇先生が「足関節前方部痛の疼痛の解釈」

吉田整形外科病院の中宿伸哉先生が「前足部痛の疼痛の解釈」

について講義していただきました。


       


それぞれの病態について、エコーや機能解剖などの最新の知見を踏まえて、噛み砕いてお話をしていただいた後、ディスカッション形式での質疑応答がなされました。


今回も、シンポジウムに参加して、詳細な解剖の知識と触診、評価能力を高めることが、精度の高い治療と結果に繋がるということを改めて勉強させていただきました。
明日からの臨床は、より気を引き締めて精進していこうと思います!



投稿者:為沢 一弘


2014年12月10日水曜日

TFCC fovea付着部損傷に対する装具療法

本日は、TFCC尺骨小窩付着部損傷に対する装具療法について報告された文献を紹介します。


日手会誌,第30巻 第3号 300-302,2013

TFCC損傷に対する保存療法として、装具療法は諸々の報告から有効であるとされています。しかしTFCC尺骨小窩付着部損傷の場合は、その解剖学的特徴からDRUJの不安定性を伴うことが多く、保存療法に抵抗した際は手術へ移行することも多いようです。

本文献では、TFCC尺骨小窩付着部損傷であっても、可及的早期(受傷から2か月以内)TFCC装具の装着を開始した症例では疼痛が有意に改善したと報告されています。

 

本文献では手関節骨折を除外したTFCC単独損傷症例を対象としていますが、TFCC尺骨小窩付着部の損傷は、治療する機会の多い橈骨遠位端骨折に合併して存在する症例も多いのではないかと思います。手関節や手指の機能ばかりに気を取られがちな私ですが、早期にfovea signDRUJ ballottement test等の理学所見をしっかりととり、DRUJに起因した疼痛が残存することがないように今後も注意したいと思います。

 
 
 
投稿者:竹下真広

2014年12月9日火曜日

シンポジウムのご案内

今週の日曜日に整形外科リハビリテーション学会シンポジウムが開催されます。





場所:名古屋国際会議場にて開催

スケジュール:
【午前】
 8:30 受付開始
 9:30~10:40 演題発表
 10:40~10:50 休憩
 10:50~12:00 演題発表
 12:00~13:00 昼休み
 13:00~13:30 総会、表彰


【午後】
13:40~15:00 Basic 膝伸展制限の評価と治療
座長:赤羽根良和先生(さとう整形外科)

 ①伸展制限のデメリット 橋本貴幸先生  (土浦協同病院)

 ②関節性障害 林優先生  (吉田整形外科病院)

 ③筋性障害 苅谷賢二先生  (野口整形外科内科医院)

 ④インピンジメント障害 稲葉将史先生  (大久保病院)


 15:10~17:00 Advance 足関節足部の痛みの解釈
座長:浅野昭裕先生 (碧南市民病院)

①アキレス腱周囲の疼痛の解釈 林典雄先生  (中部学院大学)

②踵部痛の疼痛の解釈 山本昌樹先生 (大久保病院)

③足関節前方部痛の疼痛の解釈 村野勇先生  (土浦協同病院)

④前足部痛の疼痛の解釈 中宿伸哉先生 (吉田整形外科病院)


今回のシンポジウムも内容の濃いお話が聞けると思いますので是非お時間のある先生方は参加されてみてはいかがでしょうか。




2014年12月4日木曜日

外閉鎖筋のリラクゼーション


してない方。




した方。




どうですか!!この団野先生のどや顔。笑
あっ!ではなくて、この内旋可動域の違い!!
これは、タイトルにもあるように、外閉鎖筋のみリラクセーションした方としていない方の違いです。
ちなみに、実際にリラクセーションされたのは、、、





小野先生です。笑

外閉鎖筋は、閉鎖孔の内側骨縁の外面と閉鎖膜から起こり、転子窩に停止します。たまに股関節包にも停止するという研究も有ります。
また、股関節屈曲・内転・内旋時には、梨状筋や内閉鎖筋に比べて外閉鎖筋が最も伸張されるという報告もあります。
FAIの治療診断に用いられるanterior impingement testは、この肢位にあたり、外閉鎖筋が硬くなっていることがこのtestを陽性にさせることがあります。実際、この写真の被検者は、外閉鎖筋のリラクセーション後、屈曲・内転・内旋可動域が増大し股関節前面の詰まり感が減少しました。
一概に、これだけが原因とは言えませんが、まだまだ解明されていないFAIの治療の一助になるかもしれません。
外閉鎖筋の触診は、なかなか難しいですがコツコツ練習すればできるようになるはずです☆☆ 
当院でも、日々色々な方法を試し切磋琢磨しております。私自身も色々な方法をもっと考えていきたいと思います!!
I can do it !!  You can do it !!








2014年12月3日水曜日

Reverse Total Shoulder Arthroplasty

本日は、Reverse Total Shoulder Arthroplasty(以下rTSA)術後のリハビリについて記載された文献を紹介します。

JOURNAL OF ORTHOPAEDIC & SPORTS PHYSICAL THERAPY
vol.37(12) 2007 734-743

理学療法士は、rTSA術後のリハビリに影響を及ぼし得る、インプラントのタイプや残存した腱板の状態、総体的なコンポーネントの安定性などの要因を把握する必要があります。

rTSA患者を治療する際には、特に①関節の保護、②三角筋機能、③肩関節術後の機能的予後の確立 の3つを考慮すべきと述べています。

    術後の脱臼を回避するために適切なポジショニングや運動が必要である。結帯動作のような肩関節伸展位から内転・内旋方向の運動はコンポーネントが前下方に脱臼する可能性があるため、特に術後12週までは要注意のようです。

    欠損した腱板筋群を補うために、肩甲帯周囲筋や三角筋機能の向上が重要であるようです。

    少なくとも105°の自動挙上角度は獲得できるが、健側肩と同等の自動挙上角度の獲得は期待できず、肩自動屈曲において外旋筋力の弱化が問題になるため、小円筋の機能が重要であるようです。


現在rTSA患者を一症例担当させていただいております。まだまだ勉強不足なので、たくさん文献を読んで良好な経過が得られるよう頑張ります。

 

投稿者:竹下真広

2014年11月29日土曜日

第7回下鴨整形疾患フォーラム

今日は当院(京都下鴨病院)主催の下鴨整形疾患フォーラムに参加させていただきました。

講演は、
藤田整形外科スポーツクリニックの院長兼、富士通テン女子バレーボールのチームドクターをされている
藤田健司先生による
「バレーボールにおける上肢の傷害ー傾向とその対策ー」


と、大阪回生病院の整形外科部長兼、久光製薬スプリングス女子バレーボールのチームドクターをされている
豊田嘉清先生による
「チームドクターの実際〜女子バレーVプレミアリーグ」
の2つでした。


藤田先生はバレーボールにおける肩や手における傷害について、機能解剖や臨床での知見をもとに、その病態や原因、対策について詳しくお話し下さいました。


豊田先生はバレーボールのチームドクターの日々の勤務や、普段どのようなことを選手に対して行っているかについてをお話し下さり、2つの全く違った内容のお話を聞くことが出来ました。



その後は情報交換会で、美味しいご飯をいただきながら、来られた先生方と臨床の話などを交わさせていただきました。僕も個人的に藤田先生に肩峰下インピンジメントにおける原因や病態について詳しくお話ができました。

左から小林雅彦先生(当院副院長)、藤田先生、豊田先生、山下文治先生(当院院長)


今回も有意義な会に参加できて良かったと思います。既に第8回のお話も進んでいるようなので、ご興味がおありの先生方や職場の近い先生方は、医師でもPT・OTでも、その他のコメディカルでも、事前申し込みなしの当日1000円で有意義な話と美味しいご飯がいただけるので、是非参加されてみてはいかがでしょうか。


投稿者:為沢一弘

2014年11月26日水曜日

アキレス腱縫合術後の早期自動運動に関する生体力学的ならびに組織学的研究

本日は、アキレス腱縫合術後の足関節自動運動開始時期について報告された文献を紹介します。
京府医大誌 107(11),1223~1240,1998.

アキレス腱縫合術後の理学療法において重要なのは、安定した修復腱の獲得と、足関節背屈可動域および底屈筋力の獲得であると思われます。
この文献では家兎を対象に縫合術後(Kessler変法)の自動運動を、超早期群(術直後から外固定なし)と早期群(術後外固定3週間)、固定群(術後外固定6週間)の3群に分け、それぞれの修復腱の経過を生体力学的、組織学的に比較した内容が記載されています。

結果は、超早期・早期群の修復腱が、固定群よりも生体力学的、組織学的に優位に成熟していたとのことでした。さらに早期群の修復腱は、超早期群よりも生体力学的に成熟していたため、術直後からの自動運動が必ずしも優れているとは言えないと述べています。

私が今担当しているアキレス腱縫合術後症例は、津下法にて縫合され3週間のギプス固定および免荷後から、足関節背屈制限短下肢装具での荷重を開始しています。本文献とは手術方法が違うため比較できるかは疑問ですが、本文献でいう早期群に近い経過をたどっていると思われます。
今後も修復腱の延長に注意して、安定した修復腱の獲得と、足関節背屈可動域および底屈筋力の獲得を目指して理学療法を実施していこうと思います。


投稿者:竹下真広

2014年11月25日火曜日

下鴨フォーラムのご案内

今週の土曜日に下鴨整形疾患フォーラムが開催されます。



内容についてですが、

1、「バレーボールにおける上肢の傷害 ~傾向とその対策~」
  藤田整形外科スポーツクリニック院長 富士通テン女子バレーボールチームドクター
  藤田健司 先生

2、「チームドクターの実際 ~女子バレーVプレミアリーグ~」  大阪回生病院整形外科部長 久光製薬スプリングス女子バレーボールチームドクター       豊田嘉清 先生



上記お二人の先生にご講演して頂きます。
バレーボールに特化したお話などを聞く機会はあまりないと思いますし、いい機会になると思うので誰でも参加可能なので是非興味のある先生はご参加ください。

投稿者:団野 翼



2014年11月23日日曜日

EPochセミナーに参加しました

本日は、当院の小野先生がEPochセミナーにて講演されました。


内容は、、

『股関節前部痛に対する機能解剖学的評価と治療
 〜股関節唇損傷における保存療法と関節鏡視下手術後療法の診かたを中心に〜』

・股関節前部痛の疾患概念
・FAIの機序と股関節周囲の解剖とその機能
・股関節鏡視下手術について
・股関節周囲の触診
・股関節前部痛に対する評価と実技
・股関節前部痛に対する運動療法と実技


FAIについては、まだまだDr.の中でも色々な意見があり、確立されたものではありません。
今回の講演では、小野先生の私見を混じえて、股関節前部痛の病態と股関節周囲の解剖について解説した上で、治療の基本となる触診技術と具体的な評価方法および運動療法について実技を含め講演されました


また、個人的には当院の為沢先生とアシスタントとして参加し、下前腸骨棘と大腿直筋の触診のレクチャーをさせて頂きました。
私は、レクチャーをしている中で、何か一つでもなるほど!っと思ってもらえればいいなと思ってしていますが、これがなかなか難しいです。。

講義の様子
実技レクチャーの様子:大腿直筋のリラクセーション操作
実技レクチャーの様子:AIISと大腿直筋の触診

理学療法士の中でも、FAIの治療は確立している訳ではなく、日々の臨床で悩むところです(._.)
しかし、今回は盛りだくさんの内容で、ご自身の見解と文献を用いて丁寧に講義していただき、知識を再確認する事ができました!!!
まだまだエビデンスに乏しく、分かっていないことも沢山ありますが、経験を積み、研究していくことで、一人でも多くの患者さんが笑顔になれるよう努力したいと思います。

 



2014年11月16日日曜日

手根管症候群の発生要因

今回は手根管症候群に関する文献についてです。

松崎昭夫:手根管症候群手術中に見られた横手根靭帯・正中神経・指屈筋総腱滑液鞘の変化—手根管症候群発症メカニズムの一考察—,整形外科と災害外科,59:(2)231-234,2010.





この文献では実際に手根管開放術を施行された305例の術中所見を元に、手根管症候群にみられる特徴的な所見や、手根管症候群の発症する原因について考察し、述べられています。


手根管症候群は横手根靭帯の肥厚や正中神経との癒着、滑膜の肥厚、屈筋腱鞘の肥厚や癒着などにより生じるとされています。


その中でも、手根管断面は手根管入り口部から2〜2.5cmの部分で最も狭くなるとされており、横手根靭帯は第3中手骨底近位と有頭骨遠位部で最も膨隆しているとされ、両部はおおよそ同じ位置であると述べられています。
正常でもこのような構造をしていることに加えて、この靭帯の肥厚が加わるとより神経を圧迫するリスクが増大することが予想されます。また、この横手根靭帯肥厚部では、その深層に正中神経が存在し、さらにその深層には 示指・中指の浅指屈筋、さらに深指屈筋が順に配列しています。
横手根靭帯による表層からの圧迫に加えて、浅指屈筋の過緊張状態での指や手関節の屈曲による深層からの度重なる圧迫が正中神経を絞扼する原因として最も多いと述べられています。
また、症例によっては、正中神経のすぐ横に長母指屈筋や虫様筋が存在し、それらが神経を圧迫する要因のひとつであるとも述べられています。

正中神経の保存療法では、手根管内圧を減少させること、神経の圧迫を緩和すること、神経との癒着を剥離することが重要であるとされていますが、この文献から、手指の屈筋の緊張を緩和することも正中神経への圧迫を軽減することの一助となると考えられ、機能的な神経絞扼による手根管症候群では理学療法が有効であることが示唆されるひとつの文献であると思われます。



投稿者:為沢 一弘


 

2014年11月11日火曜日

第25回京都府理学療法士学会の案内


来年1月は、第25回京都府理学療法士学会が開催されます。
この度、私も演題を投稿させていただきました。
興味のある方は、参加してみてはいかがでしょうか。

日時:平成27118日(日)10時~17
会場:京都市呉竹文化センター
テーマ:『理学療法士の「真」の力 ~理学療法を活かす』
参加費:会員 2,000 円  会員外 5,000

 
また学会企画として、以下のような講演も予定されています。
・特別講演 「がんに対するリハビリテーション ~緩和、看取りを中心に~(仮)」
京都医療センター  久保 速三 先生

・教育講演  「今後の医療・介護動向と理学療法士の役割(仮)」
筑波記念病院  斉藤 秀之 先生

・リレー講演
NEURO15rTMS 治療)とボツリヌス治療;土井 博文 氏(御所南リハビリテーションクリニック)
川平法;麻田 博之 氏(蘇生会総合病院)
ロボットスーツ HAL;中本 隆幸 氏(京都きづ川病院)
ドライブシミュレーター;田後 裕之 氏(第二岡本総合病院)
⑤認知症;森田 浩史 氏(通いの家 おはな)
⑥小児;江平 知子 氏(聖ヨゼフ医療福祉センター)
⑦京都府リハ支援センター事業;山元 顕太 氏(京都府健康福祉部リハビリテーション援センター)
⑧地域;松本 健史 氏(丹後福祉応援団デイサービス生活リハビリ道場)

 

投稿者:竹下真広

AnswerPlus主催のセミナー

整形外科リハビリテーション学会京都支部代表世話人の小野志操先生がAnswerPlus主催のセミナーで講演されることになりました。





テーマ「エビデンスに基づくTHA・TKA術後リハビリテーションの実際   ~臨床成績に繋がる最
     善のTHA術後のリハビリテーションと最新のTKA術後リハビリテーションの考え方 ~」

日時:2015年2月1日(日) 10時30分~16時30分

講師:小野志操先生(京都下鴨病院)

会場:大阪産業創造館5F研究室A・B
    (地下鉄堺筋本町から徒歩10分 大阪市本町1-4-5)

受講費:8000円

受講申込はAnswerPlusホームページより
http://www.answerplus.info/conference/1feb15/


現在では年間人工関節置換術はTKAとTHAを合わせると約17万以上の症例が施行されている手術であり理学療法を行う上で人工関節の症例を診たことがない人は少ないと思います。
手術により除痛は得られることが出来ますが、術後のリハビリで可動域が不良の症例を経験することがあると思います。
TKA後の可動域に関しては日本では和式の生活であることが多く可動域の獲得は非常に重要なことだと感じています。
小野志操先生はTKA、THAともに非常に素晴らしい成績を出されておりTKAに関しては論文なども書かれています。
また、解剖などに関しての知識なども豊富にあるため講演の際には術後のリハビリに必要な解剖の知識や手術操作の話など臨床に役に立つ内容が多くあるのではないかと思います。
興味のある先生は是非参加されてみてはいかがでしょうか。


投稿者:団野 翼



2014年11月8日土曜日

腱板断裂術後の疼痛残存の要因

今回は、腱板断裂術後に残存する疼痛の要因について研究した論文をご紹介します。
畑 幸彦ほか:腱板断裂手術後に残存する痛みの要因について.肩関節.2000;24巻,2号,279-282.


臨床では、腱板修復術後に、可動域は比較的良好であっても、詳細に問診を行うと重鈍さや痛みを訴える症例を目にすることが少なくありません。
この文献では、その痛みに の原因について、術後1年〜1年半の時点にて、関節造影MRIで無症候群と有痛群における関節包の大きさを比較されています。
比較の結果、疼痛を有する群ではAnterior・Posterior pouchと比べてInferior pouch(Axillary pouch)が短縮していたと報告されています。
この文献から、術後のリハビリでは、Inferior pouchの柔軟性もしっかり診ておくことが、術後の疼痛の消失において重要であることがわかりました。

また、腱板断裂保存例でも、有痛群は、後方から後下方の組織の柔軟性が低下しているという報告もあり、上腕骨頭の位置が変位し、肩甲上腕関節での運動が不正になることが疼痛発生に関与している可能性が考えられ、骨頭の位置の変位について詳細に評価することが大切だと感じました。


投稿者:為沢 一弘


2014年11月5日水曜日

臼蓋形成不全のあるCAM-type 股関節唇損傷患者の特性


Ida et al. Journal of Orthopaedic Surgery and Research 2014,  
最近、当院でも患者さんが増えているFAI患者さんですが、その病態については医師の中でも様々な意見がある様です。
今回、紹介する文献は、臼蓋形成不全をもった患者の大腿骨形態異常を調べたものです。臼蓋形成不全をもつ患者100例中40例でCAM typeの形態異常を保有することが分かりました。また、この40例は他に比べて、立位時の骨盤前傾角度が有意に増加するということも分かりました。これらを保有する患者ではanterior impingement testの陽性率が有意に高かったことから、診断にも用いられていると書かれています。 

股関節不安定性には外傷性と非外傷性に分かれており、臼蓋形成不全は非外傷性に含まれます。FAIは大腿骨骨頭の膨隆と臼蓋の過被覆がインピンジメントすることによって股関節唇損傷が引きおこります。股関節唇は臼蓋の辺縁にあり、骨頭を包み込むようにして安定させています。しかし損傷が大きくなると、骨頭を包み込んで安定させている機能が失われて、骨頭が不安定になります。
股関節の不安定性がイコール臼蓋形成不全というわけではなく、股関節唇損傷による不安定性ということも考えれ、文献に書かれているような混在している場合もあります。様々な可能性を視野に入れて考えていかなければいけないので病態の理解を深めるためにもっと勉強して臨床のリハビリにも活かしたいと思います。


骨癒合評価法


文献紹介

 

骨癒合評価法

別冊整形外科612182132012

 


本日は、骨癒合評価法としてX線像の精度について述べられた文献を紹介します。

X線を用いた骨癒合評価の指標としては、仮骨の大きさ、皮質の連続性、骨折線の消失の有無などが用いられることが多いようです。

この文献では、大腿骨横骨折・粉砕骨折モデルを用いて、整形外科医によるX線読影と実際の力学試験とで、どの程度骨折部の力学的強度回復率が一致するかについて、比較検討がされています。

結果、X線を読影することで骨折部の力学的強度の変化をある程度は把握できるようです。しかし粉砕骨折については、横骨折に比べて骨癒合の判定が困難で、受傷後の経過日数が有用な指標になりにくいことを示す結果になったと述べられています。

力学試験の結果からも、特に粉砕骨折の場合、同じ経過日数でも強度回復率は症例ごとにかなりばらつきがあるようでした。

 

骨折部への荷重や離開ストレスなど、きちんとリスクを排除したうえで運動療法を進めていけるよう今後も勉強していこうと思います。

 
投稿者:竹下真広

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