文献紹介
骨癒合評価法
別冊整形外科61:218~213,2012
本日は、骨癒合評価法としてX線像の精度について述べられた文献を紹介します。
X線を用いた骨癒合評価の指標としては、仮骨の大きさ、皮質の連続性、骨折線の消失の有無などが用いられることが多いようです。
この文献では、大腿骨横骨折・粉砕骨折モデルを用いて、整形外科医によるX線読影と実際の力学試験とで、どの程度骨折部の力学的強度回復率が一致するかについて、比較検討がされています。
結果、X線を読影することで骨折部の力学的強度の変化をある程度は把握できるようです。しかし粉砕骨折については、横骨折に比べて骨癒合の判定が困難で、受傷後の経過日数が有用な指標になりにくいことを示す結果になったと述べられています。
力学試験の結果からも、特に粉砕骨折の場合、同じ経過日数でも強度回復率は症例ごとにかなりばらつきがあるようでした。
骨折部への荷重や離開ストレスなど、きちんとリスクを排除したうえで運動療法を進めていけるよう今後も勉強していこうと思います。
投稿者:竹下真広