COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2017年3月9日木曜日

【文献紹介】投球におけるPosterior Superior Glenoid Impingementの検討

 本日は、投球動作において起きるPosterior Superior Glenoid Impingementについて検討された文献を紹介します。
 山口晢ら:Posterior Superior Glenoid Impingementの検討.肩関節50(1)237-2402001

 投球障害肩の病態のひとつにPosterior Superior Glenoid Impingementがあり、Internal Impingementと呼ばれたりもします。この病態はオーバーヘッドスポーツを行う症例に見られることが多いです。疼痛は上腕骨頭と関節窩によって軟部組織が挟まれることで生じると知られています。
 本論文は鏡視中に上肢の牽引を外し、肩関節を他動的に外転・外旋にさせた時の動態を観察しています。対象は投球障害肩に対して鏡視下手術を行った症例です。
 結果は全例肩関節唇と腱板の関節面断裂があり、外転・外旋でImpingementを認めたとしています。
 この結果から、外転・外旋がPosterior Superior Glenoid Impingementの起こる動作であることがわかります。この運動は投球動作のCocking Phaseにあたります。投球障害肩症例の主訴が”Cocking Phaseにおける肩関節後方部痛であり、外転・外旋で再現される場合はPosterior Superior Glenoid Impingementを疑う必要があることがわかりました。
 投球障害肩症例には、このような肩関節の動態があることを考慮しながら病態の推論を立てたいと思います。また、このImpingementの背景は数多くの病態が隠されていると思いますので、丁寧に評価していきたいと思います。


投稿者:中井亮佑

【京都支部定例会のお知らせ】
3月の定例会より定員を先着24名での開催予定です。
3/25(土)の参加申込を開始していますので、以下よりお申込ください。
申し込みフォーム:https://pro.form-mailer.jp/fms/f8e2b38d114071

2017年3月2日木曜日

【文献紹介】肩関節拘縮症例における肩関節の動態について

 本日は、肩関節拘縮症例の肩関節の動態がその後の経過とどのような関連があるかについて報告されている論文を紹介します。
 
君塚康一郎:肩関節拘縮に対する保存的治療の検討. 肩関節30(3): 515-518, 2006.

 臨床において、障害のある関節は生理的な関節運動が出来ないことが多いです。これを是正することで疼痛が軽減したり関節可動域が広がったりすることから、生理的な関節運動を理解することは理学療法において重要かと思います。
 肩関節の生理的な関節運動のひとつに、挙上に伴い大結節が烏口肩峰弓内(以下:肩峰下)を通過することが挙げられます。本日紹介する文献は、医者が肩関節拘縮症例における保存療法の適応を明らかにすることを目的に、大結節と肩峰下の位置関係について着目し治療成績を検討されています。
 大結節が肩峰下に位置する群(Rotational Glide群)としない群(Prerotational Glide群)で比較されています。Rotational Glide群は全例、6ヶ月後に肩峰下を通過していたのに対し、Prerotational Glide群の約1/3の症例は肩峰下を通過できなかったとしています。
 この結果から、生理的な肩関節運動が獲得されている症例の方が経過は良好であることと推察されます。関節を評価する際に、その関節が生理的な運動をしているか否かを評価すること、生理的な関節運動を制限する原因を判断することが関節障害の改善につながると再確認できました。臨床に生かしていきたいです。


投稿者:中井亮佑

【文献紹介】腱板断裂における上腕骨頭上方化と上方関節唇損傷の関係


今回は、腱板断裂における骨頭上方化と上腕二頭筋長頭腱や上方関節唇損傷の関係を明らかにした論文です。
 

 

この研究は棘上筋・棘下筋腱板断裂に対して手術が行われた45肩が対象です。術前X線にて肩峰骨頭間距離を測定した後、7mm以上を上方化なし群、7mm以下を上方化あり群に群分けし、LHB断裂・脱臼の有無や上方関節唇損傷の程度などを二群間で比較しています。


結果、上方化あり群では上方関節唇損傷が多く、肩峰骨頭間距離と関節鏡視下での上方関節唇損傷の程度は負の相関があったと示されていました。


この研究から上方関節唇損傷と上腕骨頭上方化は関連している可能性があることを学びました。関節の構造が破綻すれば、その関節はどのような状態になりやすいのか、適切な病態把握ができるよう努めていきたいと思います。

 

投稿者:佐々木拓馬

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