COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2023年2月14日火曜日

【論文紹介】変形性股関節症に貧乏ゆすりは有効ですか?

変形性股関節症の患者さんから、本やテレビの特集で貧乏ゆすりが有効と聞いたのですが、効果はありますか?と質問されました。実習のときにエビデンスがあると聞いたことがあり、指導している様子をみたことがありました。今回の質問をきっかけに詳細を調べてみました。


はじまりは、

4例の症例報告(広松聖夫ら:リハビリテーション医学 2005)を皮切に、
キアリ手術後の経過不良例に対してのジグリングの有効性が報告され(広松聖夫ら:整形外科と災害外科 2013)、その後、ジグリングの有効及び無効群の比較対照研究およびジグリング単独療法の有効性(Hiromatsu S, et al.Bone joint nerve 2013)が報告された。

ジグリング運動を報告した広松らは、1980年に報告されたSalterらの結果を参考に考案した運動療法であると述べている。
その報告の内容は





Porpose

滑膜関節の生体内連続受動運動が、思春期および成体ウサギの膝関節の軟骨下骨を貫通する関節軟骨欠損の治癒に及ぼす生物学的効果を検討すること。


Methods&Material

147匹のウサギの588膝軟骨欠損を評価した。連続的な受動運動を行い、その一般的な生活は妨げられなかった。週間隔で4週間までの欠損の治癒は、肉眼検査と、光学顕微鏡によって評価された。(1)修復組織の性質、(2)トルイジンブルー染色によって示されるマトリックスのメタクロマシアの程度であった。

連続的な受動運動の効果と固定および間欠的な能動運動の効果と比較した。



Result

4週目に関節軟骨欠損が評価された。膝が固定された10匹の8%、断続的な能動的運動が許された10匹の9%、および手術直後に膝が連続的受動運動で管理された10匹の52%に存在したことを明らかにした。


Conclusion

欠損内の未分化間葉組織から硝子軟骨への治癒組織の形質転換は、固定や間欠的な能動運動よりも、連続的な受動運動の方が迅速であるだけでなく、はるかに完全であった。




持続的他動運動は軟骨再生を促すという報告を背景にジグリング運動は考案されたようです。

ジグリング効果は、股OA(進行期、末期)、キアリ術後を対象に7割程度に関節裂隙が2mm開大した(広松ら:整形外科と災害外科.2013)、40例中14例でJOAスコアが改善した(佐々木ら:Hip joint2018)などの報告がある一方で、股OA77例のうち2年間でX線学的指標に変化はなかったという報告(古市ら:Hip joint 2018)もありました。



これらの事実から、統一した見解は得られていないが、関節に負担のかかる運動ではないと考えられます。



投稿者:尼野将誉











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