対象は肩関節拘縮で棘下筋腱不全断裂を認めた症例30肩(T群)と腱板損傷を認めない症例30肩(C群)です。2群間で可動域と筋力、画像上より得られる関節包の大きさ(anterior,posteriorおよびinferior
pouch)を比較検討されています。また関節包の大きさと可動域との相関も調べられています。
各項目において2群間に有意差は認められず、関節包の大きさと可動域の相関にのみ違いが認められたと報告されていました。T群ではinferior pouchの大きさと外転可動域にのみ正の相関を認め、C群ではinferior pouchと外転、外転位外旋可動域の間に正の相関を、CTDとの間に負の相関を認めたとの結果が示されています。
筆者は2群の共通点から拘縮例ではinferior pouchの拡大が可動域改善につながること、腱板不全症例においては関節包の大きさと相関を認めた項目が少なかったことから関節包以外の因子(損傷部周囲の癒着など)によって可動域制限が生じていると考察していました。
同じ拘縮患者でも病態はそれぞれ異なっていて、それら病態の違いを見逃さないよう評価して治療へと展開していくことの大切さを改めて感じました。少しでも自分の治療成績を高められるよう日々精進していきたいと思います。
投稿者:佐々木拓馬
同じ拘縮患者でも病態はそれぞれ異なっていて、それら病態の違いを見逃さないよう評価して治療へと展開していくことの大切さを改めて感じました。少しでも自分の治療成績を高められるよう日々精進していきたいと思います。