柴田聡他:非予測的な片脚着地動作時の体幹・骨盤運動の性差の検討.日本臨床スポーツ医学会誌26(1):17-26,2018
研究目的は非予測的に着地位置の変更を行った片脚着地動作について、特に骨盤・体幹の挙動の性差を検討することです。
対象は男性10名、女性10名です。
実験は30cmの段から利き脚のみでの片脚着地動作とし、着地直前に非予測的に着地位置を変更する課題として行われています。
着地位置は内側方向、外側方向、変更なしの3方向をランダムで提示しています。
結果は着地位置の変更するによる関節角度に有意差は認めませんでした。
男女差においては女性の方が接地後に股関節の内転確度の変化量と骨盤の立脚側方向への回旋角度変化量が大きい結果となりました。先行研究では股関節の外転、外旋筋力の弱化や大殿筋の筋活動しての減少によって過度な股関節の内転、内旋、骨盤や体幹の回旋・傾斜が生じると報告されている。今回の研究結果と先行研究から股関節外転、外旋筋の弱化を代償し、着地を安定させようとした結果、股関節内転、立脚側への骨盤の回旋により着地直後の衝撃を吸収しようとしていたのではないかと筆者は考察しています。
今回は段差からの着地動作における検討ですが、スポーツ活動内ではどのような状態で着地しているのか、競技特性についても学んでいく必要があると感じました。
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