COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2017年10月1日日曜日

【文献報告】等尺性収縮を用いた肩関節ROM訓練

本日紹介させていただく文献は拘縮肩に対して等尺性収縮の効果を検討した文献です。

林典雄他:等尺性収縮を用いた肩関節ROM訓練−ストレッチングとの比較−.理学療法学17(5):485-489,1990


対象は肩関節周囲炎と診断された屈曲100°以下の拘縮肩33例です。
ストレッチ群と等尺性収縮施行群の2群で理学療法介入後の屈曲可動域を比較しています。
結果はストレッチ施行群と比較し、等尺性収縮施行群において有意に可動域が増加していました。
筆者は、拘縮肩の一要因として筋腱移行部でのコラーゲン沈着をあげています。
これに対して等尺性収縮を用いることでストレッチ刺激が効率よく加わることで可動域が増加したと考察しています。
可動域が改善したもう一つの要因として、等尺性収縮による熱生産により筋の粘弾性が低下することをあげています。


拘縮肩は臨床の中でもよく経験する疾患です。
その拘縮が攣縮なのか癒着なのかコラーゲン沈着なのかによって治療の介入方法が異なると思います。
詳細な原因を見つけるとともにそれらに対して適切な治療が行えるように、正確に評価できる知識と技術、拘縮の理解を深めていく必要があると感じました。



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