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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2017年2月19日日曜日

【文献紹介】膝関節後外側支持機構および後十字靭帯の内反制御機能について


 今回、紹介する文献は膝関節後外側支持機構および後十字靭帯の内反制御機能についてです。

 膝関節の内反制動には外側側副靭帯(以下:LCL)が大きく関わります。過去の報告では膝屈伸運動の際に伸展位付近では緊張するが屈曲位では弛緩することから、LCLの内反制動は伸展位のみに限局するとされていましたが、近年では屈曲位においても内反制動に関わることや伸展位から軽度屈曲位にかけては強いが、それ以上の屈曲位では機能が低下することなどが報告されています。

 また膝後外側複合体(以下:PLC ; 膝窩筋腱、ファベラ腓骨靭帯、弓状靭帯、後外側関節包より構成される)および後十字靭帯がともに損傷されると重度の膝内反不安定性が出現することから、今回の文献では膝関節角度を0°15°30°60°90°と変化させ、LCLPLCPCLを異なる順序で切離し、その際に生じる内反量の変化について検討されています。
 結果はLCLを単独で切離すると全可動域を通じて内反量が増加するが、軽度屈曲位(15°〜30°)では大きく、60°以上では小さくなったとあり、LCLに加えてPLCを切離するとさらに内反量が増加したことから、LCLについでPLCは内反制動の因子であること。またPCLを切離すると60°以上でLCLについで内反制動の因子であると報告しています。

 以上の結果から内反ストレステストを軽度屈曲位と屈曲60°以上で評価することで損傷されている組織が鑑別できる一つの指標になるのではないかと考えます。もちろん臨床では画像所見やその他の理学所見と合わせて病態を解釈していく必要がありますが、内反ストレステストを行う際には今回の報告を踏まえて行っていきたいと思いました。

投稿者:服部隼人


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