内山孝憲:レンショウ細胞による反回抑制と筋張力制御.バイオメカニズム学会誌,
27(2) :76-82,2003
本論文では、運動単位やレンショウ細胞および筋線維の特性について述べられており、レンショウ細胞の解剖学的知見なども詳細に報告されていますが、今回は反回抑制について着目しました。
反回抑制とは脊髄内抑制の一つであり、臨床上では筋緊張を抑制する際に用いられます。反回抑制では、α運動神経から筋へつながる軸索が分技し、脊髄内抑制の介在神経であるレンショウ細胞を興奮させます。興奮したレンショウ細胞は脊髄内の様々な神経細胞を興奮させるとされています。
反回抑制の他に筋緊張を抑制する手段としては、相反抑制(Ⅰa抑制)や自原抑制(Ⅰb抑制)などがあります。これらは、それぞれ神経機構が異なるため、評価にて病態を把握し、どの脊髄内抑制を用いることでどのような効果が得られるかを理解したうえで治療選択ができるよう、日々精進したいと思います。
投稿者:鷲見 有香