今回の定例会は、京都会場アドバンスセミナー
「投球障害肩を考える」と題しまして、
小野志操先生による
「投球障害肩の理解に必要な基礎解剖」
永井教生先生による
「投球障害肩に対する運動療法」
について講義して頂きました。
今回は、講義のあとに、投球障害肩をもつ選手の投球フォームの動画をみながら症例検討を行いました。
投球フォームからは色々なことが推察され、肩にかかるストレスの原因が隠されています。もちろん、肩関節の機能障害そのものの責任の場合もありますが、他関節の場合もあり、個々の選手によってそれぞれ特徴があります。多角的な方面から評価していかなければ、患者さんの満足した治療結果を得ることはできないと改めて感じました。投球時に肩にかかるメカニカルストレスをいかにして軽減するかが大切であるということを今回の講義で学び、日々の臨床でも活かしていきたいです。
次回の定例会京滋支部は、
1月23日(土)18:00受付 18:30開始です。
症例検討:未定
レクチャー:腱板断裂症例に対する理学療法(仮)
症例募集中です!!
投稿者:一志 有香
Staff profile
COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について
整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。
2015年11月29日日曜日
2015年11月23日月曜日
第55回近畿理学療法学術大会
今日は第55回近畿理学療法学術大会に参加しました。
京都下鴨病院からは服部隼人先生、中井亮佑先生と私、吉田雄大が発表をさせていただきました。
服部隼人先生
「橈骨遠位端骨折における受傷時骨転位量と術後手関節可動域の関連についての検討~当院における最終経過観察時の治療成績と併せて~」
中井亮佑先生
「肩甲上腕関節可動性が肩甲骨回旋位置に与える影響~拘縮肩症例での検討~」
吉田雄大
「橈骨遠位端骨折後の手関節可動域に影響を及ぼす因子の検討~患側受傷時と健側の橈骨遠位端前後径を比較して~」
発表に至るまでに、日々遅い時間まで指導をしてくださった小野志操先生、永井教生をはじめ、貴重なご意見をくださった京都下鴨病院の先生方のおかげで何とか無事に終えることができました。
1年目での発表という貴重な経験をさせていただき、ご指導してくださった各先生方に心より感謝申し上げます。
今回学会発表をしたことがとても良い刺激になりました。これからも臨床・学術を通じてより知識・技術を高めていけるよう頑張りたいと思います。
投稿者:吉田雄大
2015年11月21日土曜日
第10回 下鴨整形疾患フォーラム
本日は京都下鴨病院主催で10回目を迎えた下鴨整形疾患フォーラムに参加してきました。
2題目
スポーツ選手の外傷性肩関節不安定症 ー競技に応じた治療戦略と成績ー
マツダ株式会社マツダ病院 整形外科 部長 菊川和彦先生
どちらの先生も反復性肩関節脱臼やスポーツ傷害についてわかりやすく治療方法や方針についてまとめてお話くださいました。
60名の先生方が参加され、大盛況となりました。
今回も、反復性肩関節脱臼の治療に関して勉強する良い機会となりました。
来週は、京滋支部の定例会が開催されます。
皆様のご参加をお待ちしております。
ホームページ:http://ohmi-rigaku.jimdo.com
また、関西ブロック全国研修会の申し込み枠の残りが早くも半数を切りました。
多数のご応募ありがとうございます。
残りもすぐに定員に達すると思われますので、参加をご希望の先生方はお早めにお申し込みいただきますよう宜しくお願い致します。
申し込みページ:http://seikeireha.jimdo.com
投稿者:為沢一弘
2題目
スポーツ選手の外傷性肩関節不安定症 ー競技に応じた治療戦略と成績ー
マツダ株式会社マツダ病院 整形外科 部長 菊川和彦先生
どちらの先生も反復性肩関節脱臼やスポーツ傷害についてわかりやすく治療方法や方針についてまとめてお話くださいました。
60名の先生方が参加され、大盛況となりました。
今回も、反復性肩関節脱臼の治療に関して勉強する良い機会となりました。
来週は、京滋支部の定例会が開催されます。
皆様のご参加をお待ちしております。
ホームページ:http://ohmi-rigaku.jimdo.com
また、関西ブロック全国研修会の申し込み枠の残りが早くも半数を切りました。
多数のご応募ありがとうございます。
残りもすぐに定員に達すると思われますので、参加をご希望の先生方はお早めにお申し込みいただきますよう宜しくお願い致します。
申し込みページ:http://seikeireha.jimdo.com
投稿者:為沢一弘
2015年11月18日水曜日
遠位脛腓関節の安定性について
本日は、遠位脛腓関節の安定性について報告された文献を紹介します。
D.J.Ogilvie-Harris et al.;Arthroscopy
10(5):558-560,1994
本文献に記載された研究は、遠位脛腓関節を2mm離開させる際に要する力を計測して、4つの靭帯(前下脛腓靭帯、後下脛腓靭帯浅層部、後下脛腓靭帯深層部、骨間靭帯)それぞれにかかる張力の割合を算出しています。腓骨遠位の外側脱臼を想定して、腓骨を外側へ引っ張る力が計測されています。
結果は前下脛腓靭帯35%、後下脛腓靭帯浅層部9%、後下脛腓靭帯深層部33%、骨間靭帯22%と、前下脛腓靭帯および後下脛腓靭帯深層部が、他の靭帯よりも外側方向の腓骨の離開ストレスに対して制御する力が大きい結果となっています。
現在、足関節脱臼骨折後にMRI上、後下脛腓靭帯の損傷が疑われる症例を担当しています。画像所見や問診、理学所見から、今後生じるかもしれない不安定性や疼痛に注意して運動療法をすすめていこうと思います。
2015年11月15日日曜日
肩峰下インピンジメントについて
今回は、肩峰下インピンジメント症候群に関する論文です。
橋下淳ら:肩峰下圧の動態計測.臨床スポーツ医学vol.15,No.3,1998:263-266
この論文では、肩関節に対して観血的治療を行った患者260人を対象に、麻酔下にて肩峰下滑液包内に圧計測用のバルーンカテーテルを挿入した状態で肩関節の運動(前方及び肩甲骨面上の挙上及び下降、下垂位内外旋、肩90度外転位での内外旋)を行い、その時の肩峰下圧の計測を行われています。
結果、前方挙上と肩甲骨面挙上では後者の方が変動は少ないが、ほぼ同様の圧変化を示し、80度から圧が高まり始め130度から最大挙上にかけて圧が高くなるとされています。
下垂位内外旋では圧はほとんど変動せず、90度外転位での回旋では外旋では圧はほぼ変化せず、内旋では圧が著名に変化し、前方挙上時の約2倍の圧がかかるとされています。
また挙上に関しては30%の症例に関節拘縮や腱板や肩峰下滑液包の癒着を認め、この群は、肩90度外転位での内旋時と同程度の圧上昇を認めたとのことでした。
考察では、肩峰下インピンジメントでは、最も病態の進行したとされる腱板断裂でも肩峰と骨頭が直接衝突している実証はなく、滑液包内の圧が変動するだけで、腱板が挟まれている可能性は少ないことが考えられるとしています。
この論文を通して考えると、日々の臨床で肩関節の症例を診ていても、Hawkin's testが陽性で、Neer testが陰性もしくは両方が陽性である症例が多く、Neer test単独で陽性になる症例はあまり目にしない印象を持っていますが、それを裏打ちできる内容であったように思います。
またHawkin's testが陽性でNeer testも陽性である場合、後下方の拘縮や挙上に伴う外旋制限など、特に前方挙上を制限し圧の上昇を招くような著名な拘縮が存在している可能性を示唆できるのではないかと思いました。
投稿者:為沢一弘
2015年11月13日金曜日
文献紹介:「後方進入法THAの脱臼予防における後方軟部組織修復の重要性」
本日は文献を紹介させて頂きます。
後方進入法THAの脱臼予防における後方軟部組織修復の重要性整形・災害外科 2013 56 1247-1252
後方進入法THA後の脱臼予防については、
・ステムの回旋調節
・後方軟部組織修復
・大径骨頭の使用
など様々な研究がされています。
・ステムの回旋調節
・後方軟部組織修復
・大径骨頭の使用
など様々な研究がされています。
今回、紹介する文献はこのうち後方軟部組織修復を中心に解説されており、股関節の短外旋筋群の機能解剖と外閉鎖筋修復の重要性などが書かれています。
内閉鎖筋は、屈曲0度で内旋すると強く緊張するが、90度屈曲位ではあまり緊張しません。
外閉鎖筋は、どちらでも強く緊張します。股関節屈曲位での内旋制動には、外閉鎖筋が重要であることを示しています。
著者の後方軟部組織修復の方法としては、股関節中間位、約30度屈曲位で、梨状筋、共同腱、外閉鎖筋をそれぞれ関節包とともに大転子後方付着部に強度の強い非吸収糸3本を用いて逢着しています。
この研究では、外閉鎖筋修復を行った例と行わなかった例において、術後の股関節可動域を継時的に比較し検討しています。
結果、内旋可動域は修復により制限されることはなく1年まで維持されることが分かった。
内旋以外の可動域への有意差はなかった。
術後脱臼発生率は、調査した188股中、修復を行わなかった1例のみに脱臼を認めたが、修復を行った例では発生していない。としています。
この文献から、後方軟部組織修復(外閉鎖筋修復)をすることで、術後に可動域制限を生むことなく脱臼予防ができるのではないかということが示唆されています。もちろん、脱臼の原因はこれ以外にもありますが、理学療法を実施していくうえで、これらの知識を持ち脱臼のメカニズムを理解したうえで、動作指導などを行っていく必要があると思います。
投稿者:一志 有香
2015年11月11日水曜日
半膜様筋腱の腱鞘炎について
本日は、半膜様筋の機能解剖と、その腱鞘炎について報告された文献を紹介します。
N.Helperin et al.:Arch Orthop Trauma Surg 106:281-284,1987
半膜様筋は、坐骨結節から膜状の平らな腱として起始し、付着部は直頭と反回頭に分岐しています。直頭は脛骨後内側部を直行し、反回頭は内側関節裂隙の5-10mm遠位部を前方70°-90°の角度で半膜様筋腱溝を走行し付着します。半膜様筋腱の腱鞘炎は、OA等の退行性変化により生じる半膜様筋腱溝近位部の骨棘が摩擦の誘因となって生じるのではないかと述べられています。
治療は主に抗炎症剤やマッサージによる保存療法が適応となりますが、抵抗した場合は半膜様筋腱溝内での滑膜や滑液包の切除術を行うとしています。
慢性の膝関節痛を患う患者において、急性の膝内側部痛が生じた場合は鵞足炎や内側半月板損傷などの他に、半膜様筋腱の腱鞘炎にも注意して疑うべきと述べています。診断には、半膜様筋腱溝部の圧痛所見と、X-P前後像での同部の骨棘の有無などが評価のポイントになるそうです。
まずは半膜様筋をきちっと触れるように触診の練習に励みたいと思います。
投稿者:竹下真広
N.Helperin et al.:Arch Orthop Trauma Surg 106:281-284,1987
半膜様筋は、坐骨結節から膜状の平らな腱として起始し、付着部は直頭と反回頭に分岐しています。直頭は脛骨後内側部を直行し、反回頭は内側関節裂隙の5-10mm遠位部を前方70°-90°の角度で半膜様筋腱溝を走行し付着します。半膜様筋腱の腱鞘炎は、OA等の退行性変化により生じる半膜様筋腱溝近位部の骨棘が摩擦の誘因となって生じるのではないかと述べられています。
治療は主に抗炎症剤やマッサージによる保存療法が適応となりますが、抵抗した場合は半膜様筋腱溝内での滑膜や滑液包の切除術を行うとしています。
慢性の膝関節痛を患う患者において、急性の膝内側部痛が生じた場合は鵞足炎や内側半月板損傷などの他に、半膜様筋腱の腱鞘炎にも注意して疑うべきと述べています。診断には、半膜様筋腱溝部の圧痛所見と、X-P前後像での同部の骨棘の有無などが評価のポイントになるそうです。
まずは半膜様筋をきちっと触れるように触診の練習に励みたいと思います。
投稿者:竹下真広
2015年11月8日日曜日
肩関節の基礎と臨床の接点についての勉強会に参加しました。
今日は名古屋の国際医学技術専門学校で行われた勉強会に参加してきました。
「肩関節の基礎と臨床の接点」をテーマに国際医学技術専門学校で教員をされている篠田光俊先生や川村和之先生が講演してくださいました。
篠田光俊先生は肩甲上腕関節に対する可動域の評価について機能解剖を踏まえて各肢位でどの組織が可動域の制限になるのか、組織がされるとどういう所見があるのかなどを過去に研究された内容と臨床を交えてお話ししてくださいました。
川村和之先生は広背筋の形態と機能について、どのように筋が発生したのか、筋の形態からどういう運動で機能していくのかという内容をお話ししてくださり、臨床につながる視点を得ることができました。
肩関節は多くの軟部組織により構成されており、どの組織が制限になっているのかを詳細に評価していくこと、その組織に対して正確にアプローチしていくことが重要になります。知識を増やしていくことはもちろんのこと、正確に評価していける操作技術や触診技術の向上を目指し努力して臨床に活かしていければと思います。
投稿者:吉田雄大
2015年11月7日土曜日
損傷靭帯の修復過程
今回は、臨床スポーツ医学の2015年9月号に掲載されている
「損傷靭帯の修復過程」についての論文を紹介させていただきます。
この文献では、膝関節の靭帯の中でも、関節内靭帯であるACLと、関節外靭帯であるMCLにおける修復時期の違いについて述べられています。
家兎を用いてそれぞれの靭帯損傷モデルを作製し、保存的な経過における靭帯修復に伴う関節の不安定性を評価したところ、ACLでは継時的に不安定性が増大していくのに対して、MCLでは12週で正常膝の1.3倍程度まで改善したとされています。
また、最大破断荷重に関しては、ACLでは12週で40%程度まで改善するものの、その後は改善が見られないのに対して、MCLでは12週で60%まで右肩上がりで改善したとされています。
関節外靭帯であるMCLに対して関節内靭帯であるACLは損傷部のフィブリン形成や維持がなされないこと、滑液の存在が細胞増殖を抑制すること、構成細胞自体の内因性相違などが修復しにくい原因として挙げられています。
これらのことを通して、ACLとMCLにおける保存適応と手術適応の相違について改めて学ぶことができたと同時に、負荷量や許容できる動作を考える一知識となりました。
理学療法を実施していく上で修復過程やその程度を知ることはとても大事なことなので、これからも知識を深めていこうと思います。
投稿者:為沢一弘
「損傷靭帯の修復過程」についての論文を紹介させていただきます。
片岡善明ら:損傷靭帯の修復過程.臨床スポーツ医学vol32,No9.830-834,2015
この文献では、膝関節の靭帯の中でも、関節内靭帯であるACLと、関節外靭帯であるMCLにおける修復時期の違いについて述べられています。
家兎を用いてそれぞれの靭帯損傷モデルを作製し、保存的な経過における靭帯修復に伴う関節の不安定性を評価したところ、ACLでは継時的に不安定性が増大していくのに対して、MCLでは12週で正常膝の1.3倍程度まで改善したとされています。
また、最大破断荷重に関しては、ACLでは12週で40%程度まで改善するものの、その後は改善が見られないのに対して、MCLでは12週で60%まで右肩上がりで改善したとされています。
関節外靭帯であるMCLに対して関節内靭帯であるACLは損傷部のフィブリン形成や維持がなされないこと、滑液の存在が細胞増殖を抑制すること、構成細胞自体の内因性相違などが修復しにくい原因として挙げられています。
これらのことを通して、ACLとMCLにおける保存適応と手術適応の相違について改めて学ぶことができたと同時に、負荷量や許容できる動作を考える一知識となりました。
理学療法を実施していく上で修復過程やその程度を知ることはとても大事なことなので、これからも知識を深めていこうと思います。
投稿者:為沢一弘
膝前十字靭帯損傷の受傷メカニズム
本日は2015年3月に発売された関節外科より「膝スポーツ外傷update」の中から膝前十字靭帯損傷(以下ACL)の受傷メカニズムについて紹介します。
非接触性ACL損傷の受傷メカニズムは過去に様々な研究報告がなされており、特にknee in toe outの肢位がビデオ解析の結果などからACL損傷のメカニズムとして考えられており、膝外反、外旋位が典型的な受傷肢位であるという報告が散見されます。
しかし、受傷時のメカニズムの研究として、これまでのビデオ解析による視覚的分析では関節角度の推定では最も容易と思われる膝関節の屈曲角度でされもかなりの誤差があることが示されていることと、損傷のタイミングの推定は困難であることが問題点とされています。そこで筆者らは視覚的分析に代わる新たなビデオ解析のアプローチとして、MBIM法を開発し、非接触型ACL損傷の受傷シーンを解析しています。
解析の結果ACL損傷の瞬間には膝外反による外側コンパートメントへの圧迫力により内旋と前方移動が生じているとし、いわゆるknee in toe outはACL損傷後に生じる単なる結果にすぎないのではないかと考察しています。その考察を基に図を用いて文献の中で詳細に新たなACL損傷の仮説について書かれています。
また他にもACL損傷における股関節の役割について過去に報告されている文献の紹介から、今回、提唱している損傷メカニズムから考える予防法についても考察されています。
今回の文献で新たな受傷メカニズムが提唱されたことから、より受傷時の股関節の肢位についても目を向けていくことが重要ではないかと考えられます。過去に報告されているACL損傷と損傷時の股関節の肢位についても調べてみようと思いました。
投稿者:服部隼人
2015年11月5日木曜日
足部・足関節のスポーツ障害 over use障害の克服
文献紹介
臨床スポーツ医学:2014第31号第7巻 特集
足部・足関節のスポーツ障害 -over use障害の克服-
今回は、雑誌からの文献紹介をさせて頂きます。
この回は、足部に関するoveruse障害について、腱・骨について分けられ更にその中でも障害別に分けられて、まとめられています。
またoveruse障害の基礎知識についてもまとめられており、スポーツ障害の患者さまをみるにあたって、大切なことも多く書かれています。
この中で、アキレス腱付着部症についてまとめられている論文を紹介します。
アキレス腱の障害は、マラソンランナーや、バレーバスケットなどのジャンプ競技者に比較的に多く発症するといわれています。
アキレス腱障害は、踵骨付着部より約2cmを境界として大きく分けて、実質部と骨付着部に分類されます。さらに、病態としては、踵骨付着部そのものの障害と、踵骨後部滑液包炎の2つの病態に分けられています。
この論文の中では、この2つの病態について詳しく書かれており、診断や治療も多少異なります。基本的な治療法としては、アキレス腱からの強大な力学的ストレスの除圧、緩衝と変性部位の再建及び症状発現部位の郭清であるが、再発も多く、適切な治療を行うために病態の把握が重要だとされています。
理学療法においても同様で、同じアキレス腱障害でも、病態を把握し患者さまのニーズに応えられるような治療を提供していくべきであると考えます。
投稿者: 一志 有香
臨床スポーツ医学:2014第31号第7巻 特集
足部・足関節のスポーツ障害 -over use障害の克服-
今回は、雑誌からの文献紹介をさせて頂きます。
この回は、足部に関するoveruse障害について、腱・骨について分けられ更にその中でも障害別に分けられて、まとめられています。
またoveruse障害の基礎知識についてもまとめられており、スポーツ障害の患者さまをみるにあたって、大切なことも多く書かれています。
この中で、アキレス腱付着部症についてまとめられている論文を紹介します。
アキレス腱の障害は、マラソンランナーや、バレーバスケットなどのジャンプ競技者に比較的に多く発症するといわれています。
アキレス腱障害は、踵骨付着部より約2cmを境界として大きく分けて、実質部と骨付着部に分類されます。さらに、病態としては、踵骨付着部そのものの障害と、踵骨後部滑液包炎の2つの病態に分けられています。
この論文の中では、この2つの病態について詳しく書かれており、診断や治療も多少異なります。基本的な治療法としては、アキレス腱からの強大な力学的ストレスの除圧、緩衝と変性部位の再建及び症状発現部位の郭清であるが、再発も多く、適切な治療を行うために病態の把握が重要だとされています。
理学療法においても同様で、同じアキレス腱障害でも、病態を把握し患者さまのニーズに応えられるような治療を提供していくべきであると考えます。
投稿者: 一志 有香
2015年11月4日水曜日
肩甲骨関節窩の傾斜角の検討
今回は、「肩甲骨傾斜角の検討」について記載されている論文を紹介します。
この文献は、肩甲骨関節窩の傾斜角を実際の軟骨面から計測したものであり、肩関節唇損傷に対するアンカーを用いた修復時の、至適刺入角度を決定することを目的とされています。
対象は、ホルマリン固定された6例10肩の献体を用いて行われています。
方法は、関節面に垂直に0,2,4,6,8,10時の位置で6等分した関節窩の横断面を作成し、各部位における関節軟骨面と肩甲骨頚部へ向かう面との角度を計測されています。
結果は、関節窩は上方や上前方、後下方に比べて前下方後上方が鈍角になっていたとされています。
この文献では、前述したように関節唇損傷に対する手術時のアンカー刺入角度を決定するために行われたものですが、この結果から上腕骨頭が前下方や後上方へと移動しやすいのではないかと思われます。他の論文を読んでみても、関節窩の軟骨変性は下方に強く認められたとされており、肩関節挙上時に骨頭からの力学的ストレスが関節窩下方に加わることで生じたとされています。
つまり、肩関節挙上時には上腕骨頭が少なくとも後下方に移動だけるだけの軟部組織の柔軟性が重要ではないかと考えられます。
臨床上、肩関節疾患の症例を担当することがよくありますが、操作方法を少し変更するだけで緊張が軽減することなどもあり、解剖学や運動学に沿った徒手操作が必要であるとその都度感じます。
まだまだ、知識、技術ともに不足しており結果を出すことが出来ていないので日々努力していきたいと思います。
投稿者:団野翼
2015年11月3日火曜日
第55回近畿理学療法学術大会
http://kinki55.umin.jp/index.html
服部隼人先生 |
吉田雄大先生 |
中井亮佑先生 |
抄録ダウンロード(pdfファイル)
http://kinki55.umin.jp/abstract.html
平成27年11月21日土曜日、22日日曜日の2日間、神戸国際展示場2号館において第55回近畿理学療法学術大会が開催されます。
京滋支部京都会場スタッフの京都下鴨病院 服部隼人先生、吉田雄大先生、中井亮介先生の3名が運動器第6セッションで口述発表されます。
3名の先生とも現在鋭意、スライドと大会誌の原稿を作成中です。
近畿2府4県の先生方は是非ご参加ください。
投稿者:小野志操
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