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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2015年9月26日土曜日

腱板断裂におけるMRIでの診断の基本

 今回、紹介する文献は今月に発売された関節外科より、特集である腱板断裂の診断と治療の中からMRIによる診断の基本についてです。


杉本ら:MRIによる診断の基本 関節外科vol.34 No10 2015

 この文献では初めに腱板の解剖について、特に棘上筋(以下SSP)と棘下筋(以下ISP)の停止部であるsuperior facetにそれぞれがどのように停止するのかを詳細に解説してあります。また、MRIの斜位冠状断像と矢状断像に投影される2つの筋を腱板のシェーマを用いて記載されています。過去の腱板断裂に対するMRIの読影については多数報告があるのですが、ここでは関節包面側組織が密になった腱板と直行するrotator cableについてもどの部分に投影されるのかを報告されています。

 Rotator cableの前方はSSP、肩甲下筋(以下SSC)に後方はISPに付着するとされ、3テスラ(T)MRIでおよそ3/4の症例において、SSPISP下面の線状低信号構造として認識できると記載されています。このrotator cableを含む断裂では手術適応になりやすいと考察されています。文献の中に実際の腱板断裂を呈した症例のMRIの記載があり、どの部分がrotator cableなのかをわかりやすくマークされています。

 当院には腱板断裂と診断された患者さんが多数おられ、日々の臨床でよく関わりがある疾患の一つです。MRIから得られる情報は多く、実際の理学所見と照らし合わせることでそれぞれの病態を把握できると思います。的確にMRIを読影できるよう知識の向上と数多くのMRIを読影し、運動療法の選択につなげられればと感じました。


投稿者:服部隼人



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