今回は、ACLの機能不全が膝の軟骨病変やOAの進行に与える影響について書かれた文献を紹介させていただきます。
碇ら:JOSKAS vol.37:62-63,2012
この文献では、ACLとantero medial
OAとの関連について、TKA施工前の症例をACL良好群と不良群に分けて比較した際に、ACLの状態で膝内側のどの部分に軟骨病変が存在するのかを調査されています。
結果として、ACL良好群では前内側に軟骨病変を認め、ACLが不良になるほど、軟骨病変が後内側に進む傾向にあったとされています。
必ずしもACLの状態が膝OAの進行や、前内側から後内側への軟骨病変が進む機序に当てはまるわけではないとは思いますが、臨床でもACL損傷後に保存か手術かを悩まれて相談されてくる患者様をよく目にするので、お話をする時に持っておいてもいい1つの知識なのではないか。とは感じました。
投稿者:為沢 一弘