安倍幸雄他:肩関節拘縮に対する烏口上腕靭帯切除の有効性の検討−新鮮屍体標本における解剖学的検討−.整形外科と災害外科40(2),1991:720-722
CHLの切除およびRotator intervalの瘢痕組織の除去を主眼に手術を行い、外転・外旋制限が改善し、機能的に良好な結果を得ることができたため、新鮮屍体における解剖学的考察を加えて報告しています。
対象は肩関節拘縮例、男性3例・女性1名の計4例です。全例にCHL切除術とRIの瘢痕組織除去を主眼に手術が行われています。必要に応じて肩峰形成術を行っています。
結果は術後全例に疼痛消失と可動域改善を認めました。
新鮮屍体の検討は6例12肩において肩関節運動時のCHLとRIの役割について観察しています。
下垂位外旋でCHL前方線維、後方線維2本とも緊張していることが確認されました。
徐々に外転させていくと後方線維は緊張し、前方線維は弛緩し、ここで外旋を加えると後方線維は著名に緊張したと報告しています。
またRIについては外旋にて前後方向のスペースの狭小化、外転によりねじれが加わっていくことがわかったの述べています。
これらの形態変化から外転・外旋にはCHL、RIが関与してることがわかりました。
保存療法を行う肩関節拘縮症例においてもCHL、RIの形態が変化できるだけの柔軟性が必要なことがわかりました。
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