COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2019年5月29日水曜日

【文献紹介】烏口肩峰靭帯における神経終末の観察−その形態と分布について−

本日紹介させていただく文献は烏口肩峰靭帯の神経終末の存在について疾患ごとに検討された文献です。
森澤豊他:烏口肩峰靭帯における神経終末の観察-その形態と分布について-.肩関節14(2),1990:161-165

impingement syndromeの病態を明らかにする目的で手術から得られた烏口肩峰靭帯における神経終末を観察し、その形態および分布について検討しています。
対象は手術で摘出した烏口肩峰靭帯9片です。(腱板断裂4片、impingement syndrome2片、腕神経叢損傷3片)
Gairnsの塩化金染色変法をもちいて、処理後に光顕下にて観察しています。
結果は肩峰下滑液包面側に多数のmechanoreceptorを認めました。腱板断裂と腕神経叢損傷の分布状態はほぼ同様であったと報告していまし。
impingement syndrome症例においては肩峰付着部前方部分に一致してmechanoreceptorが存在していたと報告しています。
烏口肩峰靭帯はimpingementが生じる肩峰付着部の肩峰下面にmechanoreceptorの密度が高い事がわかりました。
烏口肩峰靭帯は肩甲上神経に支配されており、mechanoreceptorは肩甲上神経を介してreflex arcを形成し運動制御機構や運動時痛い関与すると考えられたと述べています。
烏口肩峰靭帯に多数のmechanoreceptorが存在し、かつ存在場所もimpingementが生じる場所であり、疼痛を拾いやすいことがわかりました。
また、肩甲上神経支配であることからも烏口肩峰靭帯の拾った侵害刺激は同様の支配にある棘上筋や棘下筋にも影響を及ぼすことが考えられ、筋の痛みのみをとらえるのではなく、その他組織からの影響も考えていかなければいけないと学びました。


2019年5月26日日曜日

第133回京都支部定例会

昨日第133回京都支部定例会が行われました。
今回は「股関節の触診(後方組織)THA術後の運動療法について」京都下鴨病院の小野志操先生にレクチャーしていただきました。





THAの目的は、股関節痛の改善、支持性の獲得、可動域改善によるADLの向上と言われています。一般的に長期成績は良好ですが、THA後の脱臼は数%と低値なものの代表的な合併症です。
本日は、THA後の人工関節設置角度(外方開角、前方開角、前捻角)を考慮しカップ・ネックのインピンジメントの予測と脱臼予防をについて、また股関節周囲の解剖について最新の知見を交えてレクチャーしていただきました。

理学療法士がインプラントの設置位置を把握して運動療法を行うことは、適切なADL指導や治療成績向上に繋がるため非常に重要なことだと感じました。


実技は京都下鴨病院の天鷲翔太先生が股関節後方組織(深層外旋筋)の触診と治療を行いました。






            



京都・滋賀支部共催 第5回ベーシックセミナーのご案内です。
テーマ:「変形性膝関節症における評価と触診」
日時:平成31年7月14日(日) 10:00~17:00 (9:30受付開始)
会場:京都社会福祉会館 4Fホール(地下鉄東西線二条駅から徒歩10分、地下鉄烏丸線丸太町駅から徒歩15分)
定員:100名
参加費:4,000円
参加申し込み:5月7日より
       下記申込みフォームから申し込みとなります。
専用フォーム:https://pro.form-mailer.jp/fms/1835a067119878 

2019年5月22日水曜日

【文献紹介】肩関節拘縮に対する烏口上腕靭帯切除の有効性の検討

本日紹介させていただく文献は、肩関節拘縮例に対してCHL切除術が有効であったことを報告している文献です。

安倍幸雄他:肩関節拘縮に対する烏口上腕靭帯切除の有効性の検討−新鮮屍体標本における解剖学的検討−.整形外科と災害外科40(2),1991:720-722

CHLの切除およびRotator intervalの瘢痕組織の除去を主眼に手術を行い、外転・外旋制限が改善し、機能的に良好な結果を得ることができたため、新鮮屍体における解剖学的考察を加えて報告しています。
対象は肩関節拘縮例、男性3例・女性1名の計4例です。全例にCHL切除術とRIの瘢痕組織除去を主眼に手術が行われています。必要に応じて肩峰形成術を行っています。
結果は術後全例に疼痛消失と可動域改善を認めました。
新鮮屍体の検討は6例12肩において肩関節運動時のCHLとRIの役割について観察しています。
下垂位外旋でCHL前方線維、後方線維2本とも緊張していることが確認されました。
徐々に外転させていくと後方線維は緊張し、前方線維は弛緩し、ここで外旋を加えると後方線維は著名に緊張したと報告しています。
またRIについては外旋にて前後方向のスペースの狭小化、外転によりねじれが加わっていくことがわかったの述べています。
これらの形態変化から外転・外旋にはCHL、RIが関与してることがわかりました。

保存療法を行う肩関節拘縮症例においてもCHL、RIの形態が変化できるだけの柔軟性が必要なことがわかりました。


第5回ベーシックセミナーについてのお知らせです。
5月7日より申込みが開始となりました。

事前申し込みが必要となります。先着100名で定員に達し次第申し込みを締め切らせていただきます。お早めにお申し込みください。

2019年5月13日月曜日

京都・滋賀支部共催 第5回ベーシックセミナーのご案内


京都・滋賀支部共催 第5回ベーシックセミナー
日時:平成31年7月14日(日) 10:00~17:00 (9:30受付開始)
会場:京都社会福祉会館 4Fホール(地下鉄東西線二条駅から徒歩10分、地下鉄烏丸線丸太町駅から徒歩15分)
定員:100名
参加費:4,000円
参加申し込み:5月7日より
       下記申込みフォームから申し込み
テーマ:「変形性膝関節症における評価と触診」
内容:
   膝関節の前方・後方・内側・外側の組織の触診と評価
    前方:小野  正博 先生(秋山整形外科クリニック)
    後方:奥山  智啓 先生(ひぐち整形外科クリニック)
     内側:中井  亮佑 先生(京都下鴨病院)
      外側:稲葉  将史 先生(明舞中央病院)

   触診技術を活かす治療についての講義と実技
    整形外科リハビリテーション学会理事  認定グレードAA
    岡西  尚人 先生(平針かとう整形外科)
    小野  志操 先生(京都下鴨病院)     

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