浦田ら:肘関節外側側副靭帯の解剖について 整形外科と災害外科,45:(2)526-528,1996.
この文献では屍体3体5肘(左3、右2)を解剖し、LCLの付着部、走行および靭帯切離時の関節不安定性について観察されています。
LCLは外側上顆に付着していますが、その付着部では伸筋群の筋腱と一緒に付着しており分離させることは困難であった。
靭帯の走行を抹消へ辿ると前方は輪状靭帯へ付着し、後方は回外筋稜に付着するが、回外筋腱と一部癒合して付着する様子が観察された。
観察した5肘すべてに後方繊維を確認できたが、前方繊維ほど明確には確認できなかった。
前方繊維まで靭帯を切離するとある程度の安定性が保たれていたが、後方繊維まで切離すると著明な不安定性が観察された。
以上がこの文献で報告されているものです。
この文献からLCLの付着部の形態、走行を確認できた。
靭帯は筋と違い、収縮はしないので付着部、走行からどの肢位で伸張されるのか考えることが重要かと思います。
関節の安定性について、前方繊維と後方繊維の両方を切離したことで不安定性が著明に出現したと報告されていますが、後方繊維のみの切離は報告されていません。このことについては今後勉強していきたいと思います。
投稿者:天鷲翔太