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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年4月8日金曜日

足伸筋支帯症候群について

本日は、脛骨遠位端の骨端線離開骨折後、上伸筋支帯の圧迫によって生じた臨床症状および、治療について報告された文献を紹介します。

Mubarak S:Extensor  retinaculum syndrome of the ankle after injury to the distal tibial physis:
J Bone Joint Surg 84-B.11-14,2002

本文献では、下伸筋支帯下を走行する深腓骨神経の絞扼性神経障害を呈する前足根管症候群とは別の、上伸筋支帯の圧迫によって生じる臨床症状および、治療について述べられています。

対象は、平均年齢12才、Salter-Harris分類Ⅱ・Ⅳの脛骨遠位端骨端線離開骨折を呈した6症例です。受傷後の症状として、足部の著しい腫脹と疼痛、母趾の感覚障害、長母趾伸筋・長趾伸筋の筋力低下、足趾・特に母趾の他動屈曲に伴う疼痛 を認めたとのことです。

およそ、骨折高位に相当する上伸筋支帯下には、前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、第3腓骨筋、前脛骨動脈、深腓骨神経が走行しています。受傷時に、これらの組織が障害されることが予想されます。治療は、上伸筋支帯のリリースによる除圧術が全例に有効であったとしています。

上伸筋支帯下圧をいかに減らすことができるかが、治療のポイントになりそうです。
明日からの臨床に生かしたいです。


投稿者:竹下真広

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