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整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2016年4月16日土曜日

上伸筋支帯下を走行する筋について


本日は、上伸筋支帯下を走行する筋群それぞれの筋線維量(底屈30°位)と、血液の供給量について報告された文献を紹介します。

T.Haumont et al:Extensor retinaculum syndrome after distal tibial fractures:anatomical basis.Surg Radiol Anat,303-311.2007


新鮮屍体20肢が用いられ、評価された筋群(前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋、第三腓骨筋)は、それぞれ前部繊維(AF)と後部線維(PF)とに分けて調査されています。

結果、長母趾伸筋PFと第三腓骨筋PFは、他の2筋と比較して上伸筋支帯下を走行する割合が高かったとしています。一方で、AFについては、第三腓骨筋を除く3つの筋は全例、上伸筋支帯下を走行していなかったとのことです。
また、長母趾伸筋への前脛骨動脈分枝数および血液供給量は、他の3筋と比較して有意に少なかったとのことです。
この2点から、上伸筋支帯高位での脛骨遠位端骨折では、長母趾伸筋が容易に損傷を受けやすいことが示唆されます。

また、背屈0°以上からは、上伸筋支帯下を走行する筋線維が著明に少なくなるために、上伸筋支帯下圧が最低値を示したとも述べています。受傷後の底背屈0°固定が、上伸筋支帯下における部分的なコンパートメント症候群のリスクを減らすために有用であることも学びました。


投稿者:竹下真広

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