COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2018年8月8日水曜日

【文献紹介】アキレス腱の肉眼解剖について


本日はアキレス腱のねじれ構造の肉眼解剖学について報告されている文献を報告します。





江玉ら:アキレス腱のねじれ構造の肉眼解剖学的検討 第13回新潟医療福祉学会学術集会 


この文献では御献体3250側を用いられています。
Szaro(2009)の報告を参考にアキレス腱(AT)を腓腹筋の筋腹が付着するAT線維束とヒラメ筋の筋腹が付着するAT線維束(以下、Sol)を分離し、腓腹筋内側頭が付着するAT線維束(以下、MG)と外側頭の筋腹が付着するAT線維束(以下、LG)とに分離されています。
また、各線維束の焼骨隆起付着部の配列をCummins(1946)の報告を参考に捻転度に応じて分類されています。


ATMGLGSolの付着する線維束が互いにねじられながら癒合しており、ATを頭側からみて右側では反時計回りに、左側では時計回りの方向にねじれを呈していたと報告しています。
ねじれの程度により下図のように軽度(type1)~重度(type4)4型に分類されています。
また、MGの線維束は比較的平行に走行していて、LGSolの線維束はねじれながら踵骨隆起に付着していたとも報告されています。


今回の報告から詳細なアキレス腱の付着、走行形態が分かりました。
受傷機転を考える上でどのような負荷が加わったのか参考にしていきたいです。
明日からの臨床に活かせるようにもっと勉強していきたいと思います。



投稿者:天鷲 翔太

2018年8月7日火曜日

【文献紹介】ラット膝関節の運動制限と膝蓋下脂肪体の萎縮

本日はラットを用いた膝蓋下脂肪体(以下IFP)の拘縮について発表された文献を紹介させていただきます。


松崎太郎他:ラット膝関節の運動制限と膝蓋下脂肪体の萎縮.日本理学療法大会2011


IFPの拘縮は深屈曲可動域、伸展可動域の制限因子となり、TKAの際には切除する場合もあります。しかし、IFP切除による膝蓋腱の変性や短縮、疼痛の出現など、デメリットも報告されています。そこで、今回はIFPの拘縮に着目してみました。

以前、IFPは関節固定にて脂肪細胞面積が減少するという文献紹介がありましたが、今回紹介する文献は9週齢のラットを5群(対照群、関節固定群、固定+運動群、脱神経群、脱神経+固定群)に分けたのち、2週間後のIFPを顕微鏡にて観察しています。

それぞれの群のIFPの面積をみていくと、固定群、固定+運動群、脱神経+固定群で面積が減少していたという結果であり、固定によって脂肪細胞が減少しました。

このことから、IFPは関節運動に関与することが考えられ、早期運動療法がIFPの拘縮予防につながることが予測できると思います。鏡視下手術やTKA術後の患者さんではIFPに侵襲が加わるため拘縮が生じやすく、侵害受容器が豊富なIFPでは疼痛が伴うと考えられるため、術後早期は炎症管理を徹底し、IFPが拘縮する2週間以内に可動性を獲得していく必要性を改めて感じました。

投稿者:高橋蔵ノ助

【文献紹介】前十字靭帯再建術後の全荷重時期の違いによる術後成績のついての比較検討について

前十字靭帯再建術後の全荷重開始時期の違いに2 週全荷重と 3 週全荷重の比較ついて文献紹介させて頂きます。前十字靭帯再建術後の理学療法において重要なことの1つとして、荷重時期の決定が挙げられるのではないかと思います。全荷重を早期から行える事が日常生活復帰に大きく関わってくることのではないかと考えられます。しかし、早期からの過度の荷重は再建靭帯の修復や骨孔安定に影響を及ぼし、再建靭帯の再断裂にも繋がるのではないかと考えられます。この文献では、術後の荷重時期を2・3週にて成績を比較検討したものでありました。

方法・結果

3週で許可した68例(男性45例、女性23例:3週群)
術後全荷重を2週で許可した42例(男性24例、女性18例:2週群)
術後成績を比較検討した。
検討項目
・術後 6,12 ヶ月での膝伸筋の患健比(60°/s)
・受傷前と術後 12 ヶ月時の Tegner activity score
・術 後 12 ヶ月時の膝前方制動性の患健側差
・再鏡視時の移植腱の状態
・入院期間
とした.
なお,膝伸筋力は等速性筋力測定器 Ariel,膝前方制動性は KT-2000 を用いて測定した.再鏡視時の移植腱の状態については,移植腱の太さ,緊張,滑膜被覆 の 3 項目を総合し,Excellent,Good,Fair,Poor の 4 段階で評価した. 


結果
入院期間のみ2 週群 22.4 ± 5.6 日,3 週群 25.7 ± 3.2 日であり,2 週群で有意に短かった(p<0.05) 

以上のことからACL 再建術後に関しては、全荷重開始時期を 3 週と 2 週で比較検討した結果,少なくとも膝関節の不安定性の増大や移植腱への悪影響がないことが分かった.また,入院期間は有意に短縮できることが分かりました。これらのことを念頭に置き、今後の治療に役立てていきたいと思います。

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