COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2017年6月13日火曜日

【文献紹介】膝前十字靭帯再建術施行 1 年後の 脛骨前方移動量に関連する因子の抽出

今回は、ACLR後の脛骨前方移動について述べられた文献について紹介させていただきます。

池野祐太郎他:膝前十字靭帯再建術施行1年後の脛骨前方移動量に関連する因子の抽出.理学療法学28(5).681-684.2013





対象はSTG法にてACLRを施工され、second lookを行った10例で、全員受傷機転は非接触型とされています。

測定項目はACLR施行1年後の脛骨前方引き出し(ATT)の健患差、術前のハムストリングス/大腿四頭筋(H/Q比)、術前片脚スクワット時の膝外反角度、術後2w時の膝関節最大屈曲伸展角度とされており、ATTとそれぞれの測定項目との関連を検討されています。


重回帰分析の結果、ACLR施工1年後のATTに関連する因子として術前H/Q比、術前片脚スクワット時膝外反角度、術後2w時膝関節最大伸展角度が抽出されていました。

上記から、H/Q比が小さい・片脚スクワット時膝外反角度・術後2w時膝関節最大伸展角度が0°に近づくと、脛骨前方移動量は増加しやすいということが考えられます。


ACLはその形態や動態から、膝関節を安定させるために、様々な制限があります。非接触型ACL損傷を受傷された患者様の多くは、受傷時に膝外反や脛骨の内旋、膝関節の過伸展が強制され、ACLが起始部から剥離もしくは実質部が断裂するという背景が見受けられます。

ACLR後の理学療法を担当させていただく際は
・再建靭帯の修復過程を把握すること
・いつ頃から再建靭帯にどの程度のストレスをかけていけばいいのか
などといったことに注意しながら理学療法を進めさせていただいています。

ACLの動態やACLR後の理学療法については、多くの文献によって報告されています。今現在の知識だけでなく、さらに知識を深め、より良い理学療法を提供できるように日々努力していきたいと思います。



投稿者:高橋 蔵ノ助

【文献紹介】アキレス腱付着部における肉眼解剖学的検討

おはようございます。

本日は、アキレス腱付着部における肉眼的解剖について書かれている文献を紹介させていただきます。



江玉睦明ら:アキレス腱のねじれ構造の肉眼解剖学的検討.新潟医療福祉学会誌 13(1): 45-45, 2013.



本研究では、実際にご遺体を用いてアキレス腱を内側頭・外側頭・ヒラメ筋に分け、アキレス腱のねじれ構造(配列)を肉眼解剖学的に検討することを目的として行われています。

結果の一部を紹介させていただきます。
アキレス腱は、内側頭・外側頭・ヒラメ筋の付着する腱線維束が互いにねじれながら融合しており、右足のアキレス腱では頭方からアキレス腱をみて反時計回り、左のアキレス腱では時計回りの方向へねじれており、外側方向へのねじれを伴いながら踵骨隆起のそれぞれの面に付着していたとされています。

また、ねじれの程度により4 つのType に分類しており、MG の腱線維束はねじれの程度に関わらず踵骨隆起の後外側に付着していたと報告しています。

これらのことより、下腿三頭筋の選択的ストレッチや収縮方向などを行う際には、今回学んだ解剖学的特徴に基づいてアプローチしていく必要性を改めて感じました。

投稿者:鷲見 有香


2017年6月11日日曜日

【文献紹介】内反型変形性膝関節症におけるlateral thrust,膝内反モーメントおよび筋力低下とX線進行度との関連性

本日紹介させていただく文献は内側型膝OA症例に生じるlateral thrust、内反モーメント、筋力低下と OAグレードとの関連を検討した文献です。


松尾智史他:内反型変形性膝関節におけるlateral thrust,膝内反モーメントおよび下肢筋力とX線進行度との関連性.臨床バイオメカニクス36:401−405,2011

対象は健常者と内反型の膝OA患者36名36膝です。
検討項目はlateral thrust量、内反モーメント増加量、大腿四頭筋筋力、ハムストリングス筋力です。
結果以下の通りでした。
・lateral thrust量はOAグレードの進行に伴い有意に増加し
・内反モーメントはgrade0からgrade1にかけて低下し、grade2以降は増加
・大腿四頭筋筋力はOAグレード進行に伴い有意に低下
・ハムストリングの筋力はgrade3以降で有意に低下

筆者はlateral thrustと膝OAの間に有意に関連が見られ、過去の報告を裏付けるものになったと述べている。内反モーメントに関しては今回はN数が少なくばらつきが生じたと考察しています。

今回の文献は検討項目がなぜ増加、減少したかについては考察されていなかっため、lateral thrust,内反モーメントについて考えました。
膝OA症例のアライメントは大腿骨外彎、脛骨内稔、FTA増加、裂隙狭小化、屈曲拘縮の増加、下腿内旋を生じると報告されています。
OA changeが進行するとこれらの大腿骨外彎・脛骨内稔・FTA・屈曲拘縮・下腿内旋の増加、裂隙狭小化が進行することが予測できます。
lateral thrustがOA chabgeの進行に伴い増加する一要因として下腿内旋、屈曲拘縮増加し、LCLなどの静的支持機構での支持性があげられる思います。
 内反モーメントがOA chanbeの進行に伴い増加する一要因としてFTA増加により内反ベクトルの増加、荷重線の内側移動に伴うlateral thrustの加速度の増加があげられると思います。
どのようにしてメカニカルストレスが生じるかを考えると、どの組織にストレスが生じているかが予測できると思います。
解剖に加え、バイオメカニクスの勉強も重要であると感じました。

投稿者:堀内奈緒美

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