COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2023年6月11日日曜日

整形外科リハビリテーション学会特別公演

6月10日(土)に整形外科リハビリテーション学会特別講演が現地にて行われました。
オープニングレクチャーではケーススタディーをもとに理事の先生方が実際に行っている評価や治療を生で見ることができて着目すべき場所やアプローチ方法など大変勉強になりました。
メインレクチャーではAR-Ex尾山台整形外科東京関節鏡センターの平田正純先生に「有痛性肩関節疾患の保存療法と手術治療の境界を求めて」をご講演いただきました。
術後症例をよくみるため、手術についてのお話は興味深く、普段戦っている腱板断裂症例の肩関節内の実際を知ることができたのは私にとってはとても大きかったです。
久々の対面講演で他の施設の先生とお話できたことも勉強になりました。
早速月曜日からの臨床に活かしていきたいと思います。







2023年6月7日水曜日

【論文紹介】第五中足骨近位部骨折に関するレビュー

当骨折症例を担当するにあたりシステマティックレビューを抄読 しています。





【背景】

第5中足骨の骨折は、足の骨折の中で最も多いものの一つである。これらの骨折の多くは近位に位置している。第5中足骨近位部の骨折は、1902年にSir Robert Jonesによって初めて報告された。その後、さまざまな分類体系や管理方法が文献に記載された。Joseffsonのシリーズでは、第5中足骨近位部骨折は通常、人生の2~6年目に起こる。DameronとEkrolは、若年者では男性優位であるのに対し、高齢者では女性優位であることを観察した。これらの骨折は、主にスポーツ活動の結果であるが、非陸上競技者にも起こりうる。

目的は、第5中足骨近位部骨折の病理解剖学的特徴、分類、治療戦略、合併症および合併症の管理について、現在の文献のエビデンスに基づきレビューすることである。


【結果】

第5中足骨の血管供給と軟部組織の解剖学的構造は、結合遅延と非結合のリスク上昇を説明するものである。LawrenceとBotteは、第5中足骨近位部骨折をその部位により、結節剥離骨折(ゾーン1)、第4-5中足骨間関節に及ぶ中足骨-骨幹部接合部の骨折(ゾーン2)、近位骨幹部骨折(ゾーン3)に分類している。ゾーン1骨折は、機能的固定と早期のモビライゼーションにより保存的に治療され、良好な治療成績が得られる。ゾーン2およびゾーン3骨折の場合、急性期は保存的治療が可能だが、結合時間や機能復帰までの時間が遅れるリスクがある。したがって、運動をしている人には、早期に髄内スクリューによる外科的固定を行うことが勧められる。遅発性結合や非結合の徴候を示す症例では、骨移植を伴う、あるいは伴わない外科的治療が推奨される。

【結論】

第5中足骨近位部骨折のLawrenceとBotteの分類は、予後や治療方針への影響から推奨されている。ゾーン1骨折は治癒可能性が高いため保存的に治療する必要がある。ゾーン2とゾーン3の骨折は、特にスポーツ選手では早期の手術治療が勧められる。結合遅延、非結合、再骨折などの合併症に対しては、再固定術や骨移植を行う必要がある。




投稿者:尼野将誉



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