COVID-19(新型コロナウイルス)感染拡大予防に対する対応について

整形外科リハビリテーション学会は、オンライン開催または感染対策を徹底した上でのハイブリッド開催により、定例会、学術集会、特別講演会、シンポジウムを開催して参ります。なお、技術研修会につきましては、再開の目処が立っておりません。理事会の決定があり次第、ウェブサイトならびに当ブログにてご報告させて頂きます。

2017年9月3日日曜日

【文献紹介】組織学的見地からの関節拘縮の病態と徒手理学療法

本日紹介させていただく文献はラットを用いて関節拘縮を組織学的に検討された文献です。


渡邊晶規他:組織学的見地からの関節拘縮の病態と徒手理学療法.徒手理学療法14(2):51-57,2014


今回はラットの膝関節を固定し、関節拘縮を作成した後に拘縮後の組織学的な変化と理学療法介入後組織学的変化を検討しています。
固定期間は2〜32週です。
結果は関節拘縮における組織変化は2週後より確認されました。
関節包における疎性結合組織から密性結合組織への変化・脂肪組織の線維化、軟骨と増生組織の癒着、関節腔内の狭小化を認めました。
徒手療法は持続伸張とモビライゼーションによる介入で検討されています。
2週間固定後の関節拘縮に対する持続伸張では可動域の改善はありませんでしたが、後方関節包の組織学的変化を認め、関節包に対する治療において持続伸張が有効であると述べています。4週間固定後の関節拘縮に対するモビライゼーションでは可動域改善を認めましたが、、組織学的変化は認めませんでした。これらの結果から筆者らは単に持続伸張のみでは改善が得られないと考え、8週間固定後の関節拘縮に対してモビライゼーションを行いました。これによりコラーゲン線維束間の間隙の拡大と脂肪変性の改善が得られたと報告しています。

今回の文献から、2週までの関節包の拘縮においては持続伸張が有用であること、さらに長期に渡る関節包の拘縮においてはモビライゼーションが有用であることがわかりました。関節拘縮が生じてから治療開始までの期間、拘縮の責任組織、これらに対する適切な治療選択が必要になるた、臨床においてしっかり見極めて適切な治療を行なっていきます。

EPochのセミナーに参加しました

 土曜日曜と2日間に渡って京都下鴨病院の小野先生が講義されました、EPochのセミナーに参加しました。



 講義のテーマは『肩関節拘縮に対する病態解釈と運動療法』でした。肩関節拘縮は臨床上よく経験する疾患で、難渋する症例も少なくありません。小野先生がお話しされる、病態解釈のための評価方法やそれに対する運動療法の考え方に会場全体が釘付けになっていたと感じました。
 また、実技では小野先生が実際に臨床でされている理学療法テクニックを基本的な方法からひと工夫まで丁寧に指導されていました。


 僕自身もアシスタントとして参加させていただきました。少しでも丁寧に伝わりやすくを心がけ挑みましたが、技術も説明の仕方もまだまだ未熟だと痛感しました。今後も努力を積み重ねたいと思います。
 
投稿者:中井亮佑

2017年8月27日日曜日

【文献紹介】上腕二頭筋長頭腱の安定化機構

本日紹介させていただく文献は上腕二頭筋腱の安定化機構について解剖学的位置関係より検討された文献です。


新井隆三他:上腕二頭筋腱の安定化機構.肩関節32(3):549−552,2011


対象は解剖実習用屍体10体20側で、肩関節前上方の観察をしています。
結果は肩甲下筋の付着部は小結節上面に停止し、そこから腱性組織が舌部を形成し、foveaに付着します。
SGHLは関節内壁前上面から外側にねじれるように走行し、前下方を支える樋様構造をし、舌部に付着していました。
LHBが関節外に出ていく場所はSGHLとCHLを含む疎性結合組織がLHBの下面を巻き込むようにして肩甲下筋腱の舌部に付着し、舌部下端から結節間溝にかけて経路を形成していました。
筆者は肩甲下筋の全層断裂は舌部によるLHBの支持、舌部に付着する膜様構造の破綻によりLHBの前内方へ脱臼しやすい状態になると考えられると述べています。


CHLの解剖についての勉強していく中で、今回紹介させていただいた文献を見つけました。
CHLはLHB腱の安定にも関与していることがわかり、1つの組織の解剖を理解した上で、その組織が周辺組織とどのような関係にあるのかについても理解を深めていく必要があると感じました。






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