三浦雅文:個別的手指屈曲動作における正中神経の横断的運動について.理学療法科学.30(2).247-250.2015
健常成人の7名14肢を対象とし、正中神経の撮像には超音波画像診断装置を用いられております。プローブは手根管部に横断方向に当て、正中神経、大菱形骨、豆状骨が確認できる位置に調整されています。その状態で手指を個別的に自動・他動で屈曲し、正中神経の横断的移動距離を測定されています。
結果は、自動運動では第3指で他の手指に比べ有意に正中神経移動距離が大きく、他動運動では有意差は得られなかったと報告されています。
正中神経は浅指屈筋、深指屈筋、長母指屈筋、橈側手根屈筋とともに手根管内を通過し、浅指屈筋腱に近い位置で走行しています。このことから、浅指屈筋の滑走性低下は正中神経の圧迫を助長し、神経圧迫による症状出現に繋がる可能性があることが本研究からわかります。
臨床を行っている中でも、正中神経領域に神経症状を訴える方は少なくありません。どの部位でもそうですが、神経絞扼や圧迫がどの部位で起こっているのかを特定し治療を進めていくことが重要であることが再確認できました。
[お知らせ]
今月31日に開催される京都支部定例会(腰部のスポーツ障害 分離症・仙腸関節障害)はおかげさまで満員御礼となりました。ありがとうございます。
※申込みをされた先生方へ
前回・前々回の定例会で、当日キャンセルをされる方が多数見受けられました。申込みをキャンセルされる先生はお早目のご連絡をお願い申し上げます。
投稿者:高橋蔵ノ助