F.Molinier et al.:The anconeus,an active lateral ligament of the elbow - new anatomical arguments.Surg Radiol Anat 33:617-621,2011
本文献は、解剖で得られた肘筋の解剖学的位置や隣接する軟部組織との関係、また先行研究の結果から、肘筋の機能解剖学的特徴について報告されています。15の新鮮屍体30肘を用いて解剖しています。本研究の結果、2つの事実が観察されています。
1つ目は、上腕三頭筋外側頭と連続性を有すること。肘筋と上腕三頭筋は同じ筋区画内に存在し、肘筋の筋線維は上腕三頭筋外側頭に差し込んでいたとのことです。
2つ目は、腕尺関節の関節包後外側部に付着すること。これによって、肘筋は腕尺関節の内反ストレスに対する動的スタビライザーとしての一役を担っていると述べられています。
本報告では、肘筋の機能は肘伸展運動の補助、腕尺関節の動的スタビライザーであると述べられています。肘関節の患者をみる中で、肘筋に疼痛を訴える症例も少なくないと思います。明日からの臨床に活かしたいです。