【背景と目的】
成人期扁平足(PCFD)にみられる足関節周囲亜脱臼(PTS)の重要な要素は、横足根関節複合体を介して起こる。しかし、これらの関節の正常および病的な関係はよく理解されていない。本研究の目的は、体重負荷コンピュータ断層撮影法(WBCT)を用いて、PCFD患者と対照群とのショパール関節被覆を比較することである。
【対象と方法】
後ろ向き症例対照研究手法を用いて、20人のPCFD患者と20人の健常者を評価した。距骨と踵骨の関節面を評価するために、距離マッピング法と被覆マッピング法が用いられた。主軸を用いて距骨頭を6つの領域(内側/中央/外側、足底/背側)に、踵骨楔状骨界面を4つの領域に分割した。関節面同定の信頼性評価行った。
【結果】
表面の選択はICC>0.99と高い信頼性を示した。距骨頭の被覆率は、PCFDではplantarmedialとdorsalmedialの領域で減少(-79%、p=0.003と-77%、p=0.00004)し、plantarlateralとdorsolateralの領域で増加(30%、p=0.0003と21%、p=0.002)した。踵骨楔状骨被覆率は、足底および内側領域で減少し(-12%、p=0.006および-9%、p=0.037)、外側領域で増加した(13%、p=0.002)。
【結論】
距骨頭の内側領域と踵骨楔状関節の足底内側領域で有意な亜脱臼が生じることを示している。我々の知る限り、この研究は、全体重負荷条件下でショパール関節全体の亜脱臼を評価した最初の研究である。これらの結果は、PCFD患者の横関節で起こる変化を理解するためのベースラインを提供し、疾患管理に役立つデータを提供するものである。被覆率と距離のマッピングは、早期診断や、関節のインターフェイスを再確立する際の治療効果をよりよく評価することにつながる客観的な情報を提供する。
投稿者:尼野将誉