内容:
症例検討『腓骨筋腱脱臼に対してDu Vries法が施行された一例』
京都下鴨病院 中井 亮佑先生
レクチャー2『長母指屈筋の触診』
京都下鴨病院 団野 翼先生
症例検討では、現在出現している疼痛の解釈と、今後の運動療法について検討しました。
今回施行されたDu Vries法は、腓骨筋腱が外果との間に形成された仮性嚢内に逸脱することを防ぐために上腓骨筋支帯を縫合し、さらに腓骨を切り移動させることで閉鎖し、元来の解剖学的構築を回復させるものです。
今回の症例は、他動運動時・安静時に関係なく手術部に疼痛が出現しており、腓腹神経領域のしびれも出現していました。
部分荷重が許可されてはいるものの、疼痛のため5kg程度の荷重しか行えていない状態です。
あまり経験しない症例ではありましたが、本学会のコンセプトでもあるように、解剖に忠実に考え検討を進めました。評価結果から神経性の疼痛である可能性が高く、骨を後方に移動させていることで外果の周径が延長されているため、ここを通る腓腹神経がが滑走できていないのではないかということと、長・短腓骨筋の伸張性が不足していることが神経の滑走不全を助長しているのではないか、また腱自体の滑走も必用になってくるのでこの組織の機能改善が必用ではないかという結論となりました。中井先生には、今回出た意見を参考に評価・治療を進めていって欲しいと思います。
レクチャーでは、為沢先生からアキレス腱についての詳しい解剖を、文献や機能解剖学的な視点から講議して頂きました。
また、アキレス腱周囲に存在する組織で特にポイントとなりやすい長母指屈筋の触診を団野先生にレクチャーして頂きました。普段、足部の患者さんでは治療ターゲットとなりやすいFHLですが、丁寧に触診していくことで周辺の神経やKFPとの関連も見えてくるので触診技術の向上はとても重要であると改めて感じました。
また、アキレス腱周囲に存在する組織で特にポイントとなりやすい長母指屈筋の触診を団野先生にレクチャーして頂きました。普段、足部の患者さんでは治療ターゲットとなりやすいFHLですが、丁寧に触診していくことで周辺の神経やKFPとの関連も見えてくるので触診技術の向上はとても重要であると改めて感じました。
今回の京都支部は、参加者25名と多くの先生に集まって頂きました。
院内だけでは、固定した考え方しか出ないので他院の先生方とデイスカッションすることは大変勉強になります。
院内だけでは、固定した考え方しか出ないので他院の先生方とデイスカッションすることは大変勉強になります。
次回は
平成28年3月26日(土)の予定です
投稿:一志 有香