磁気共鳴画像法(MRI)、超音波検査、肉眼的解剖学的検査により、脛骨後内縁に沿った脂肪組織を調べることを目的とした。
【方法】
11名の健常人の下腿をMRIと超音波を用いて内側果から3cmごとに検査した。脂肪率は脂肪率画像を用いて算出した。さらに、新鮮な死体7人について、長母趾屈筋起始部と脛骨後内縁に沿った脂肪組織の肉眼的解剖学的検査を行った。長母趾屈筋起始部と脂肪組織の高さも比較した。
【結果】
生体内では、MRIと超音波を用いて脛骨後内側縁全体に沿って脂肪組織が確認された。Kagerの脂肪組織と脛骨後内縁に沿った脂肪組織との間には、6cmの位置を除いて脂肪率に有意差はなかった。7体すべての遺体で、脛骨後内側縁に沿った脂肪組織が認められ、長母指屈筋起始部よりも有意に遠位であった。
【結論 】
脂肪組織は、MRI、超音波検査、肉眼解剖学的検査により、脛骨後内縁に沿って確認された。したがって、この組織は腱の摩擦や圧縮応力を軽減する役割を果たす可能性がある。
シンスプリントの病態解釈のための解剖学的知識と考えます。
評価、治療へ落とし込んでいきたいと思います。
投稿者:尼野将誉